KKN

平成27年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業

一般社団法人KKN

実施概要

【木材住宅フェアシリーズ】
 
住宅見学会&県産材PR①
開催日:平成28年6月4日(土)、5日(日)
開催地:熊本県宇城市松橋町
実施事業者:株式会社 エバーフィールド
来場組数:83組(2日間)

 

熊本地震後初となる構造見学会の実施。室内には図面や使用している地域材に関する展示パネル等も配置し、来場者がより分かり易く見学が出来るように配慮しています
来場者数は震災後と言うこともあり減少すると予想されていたが、2日間で45組。中には木造住宅は弱いと思われていた方もいたが、イメージを払拭し木の良さを理解していただけた。

 
住宅見学会&県産材PR②
開催日:平成28年6月12日(日)
開催地:熊本県熊本市北区
実施事業者:有限会社 村田工務店
来場組数:34組

 

築80年のリノベーション現場見学会を開催。
あいにくの天候となりましたが、基礎は昔の土台石を撤去後に鉄筋コンクリートのベタ基礎へ。その基礎の上で社長自ら解説や来場者からの質疑に応対されていました。古材と新材との融合をテーマに地域材を使用したリノベーション後の図面や完成図などを資料として配布。

 
小国森林組合視察研修(一般社団法人JBNと共催)
開催日:平成28年9月9日(金)
開催地:熊本県阿蘇郡小国町
参加人数:42名
    
①丸太の入札体験、②小国杉家づくりセミナー、③木材地熱乾燥施設見学、
④小国杉の伐採見学、⑤製材所見学(2業者)

熊本県産材の中でもブランド化を図り全国的にも注目を浴びている「小国杉」についての視察研修。
参加された皆様が小国杉の質の高い調湿効果などを実際に小国杉を使用したモデルルームにて体感することができ、お施主様向けのツアーの計画も立てたいとの声も多く、地域材PR活動としては十分な成果となりました。また、木材を扱うことは多いけれども実際の原木や伐採の様子や環境にも配慮した乾燥方法など様々な面で知識的にも多く得られるものがあった。

 
木造住宅普及セミナー「地域工務店のらしさ」
実施日:平成28年10月13日(木)
会 場:ホテル ニューオータニ熊本
来場者数:132名
講 師:NPO法人 環境共棲住宅「地球の会」理事・事務局長 佐藤 善秀 氏

 

様々な業界の一部上場企業、特に大手メーカーのマーケティングリサーチを中心に、経営戦略・商品企画・営業・販促企画・教育研修など、マーケティング活動全般の支援に40年以上にわたって携わってきている。また他にも、地場産業の活性化や地域・商店街の活性化等行政関連の仕事にも携わってきた。10数年前からは、住まい・住宅関連のNPO法人の活動にも参加(「地球の会」理事・事務局長)し、合わせて、最近は地域住宅会社のマーケティング活動支援にも力を注いらっしゃる佐藤氏を講演にお呼びし、地域工務店による「らしさ」を追求することの必要性、それに伴う経営から営業、施工・施主との係わり方などを考えさせられる講演となりました。高性能の住宅づくりだけではなく各工務店、各事業者においての個々の「らしさ」を確定させることが今後の受注にもつながるのではないか?多くの来場者からも現状の自社について考えさせられたとの声も多く、また4月に発生した熊本地震の後ということもあり未だ混乱の更に今後の自社の在り方を考え実行する良い機会となられた方も多かったようです。

 
木造住宅フェア「もくもく触れ合い祭り」
実施日:平成28年10月15日(土)、16日(日)
会 場:(協)熊本木材工業団地内・肥後木材(株)
来場者数:2日間 約3,000名
        

(一社)KKNブースでは熊本地震に伴う応急仮設木造住宅や自立支援型くまもと復興住宅などに関するパネルや新築住宅やリフォーム住宅に係る補助金活用法などの紹介用パネルを展示。会員工務店による住宅相談コーナーでは来場された方の細かな疑問や被災者相談にも対応。また、2日間とも仮設住宅建設と復興住宅に関するセミナーも実施。
予想を遥かに上回る来場者となり、企画していたスタンプラリーや景品等もイベント終了を待たずに完売となり大盛況となりました。大工による木工教室や丸太切りでは実際に木材に触れて工具を使用するなど普段ご家庭では行えないとのことで遠方からお越しの方も多く見られた。

 

事業実施により得られた効果

 4月に発災した熊本地震により予定していた会場などが使用できなくなり、木造住宅が倒壊する映像がながれることで木造住宅=地震に弱いというイメージがついていた。この中で、依然として余震が続く中で、会員工務店の住宅見学会を活用することで県産材PRをする場を設けて、消費者に対して木造住宅は地震にも強いというイメージUPを図り、来場の方々のイメージ回復につながった。
 また、KKNは、全国木造建設事業協会の熊本県支部として、熊本県内において563戸の応急仮設木造住宅の建設をした。使用した材は、オール県産材であり、全国の工務店からも注目された。このこともあり、熊本県産材のブランド杉である小国杉の視察研修を開催した。
 この視察研修では、全国の工務店が加盟するJBNと共催で開催し、熊本県内はもとより全国の工務店関係者が視察に訪れた。実際に小国杉を使用している工務店会員から小国杉の話などをきくことにより、小国杉の良さをよりPRすることができ、小国杉を取り扱う工務店や興味をしめす工務店が多数いた。
 住宅セミナーでは、地域工務店のらしさをテーマとしてセミナーを開催した。地域工務店のらしさとは、地域にあった住宅を建てること、また県産材を使用することでもあり、それらをどううまく活用して消費者にPRするかを多くの工務店が参加して、県産材のPRする方法などを学ぶことができた。大変参考になったという意見が多くきかれた
 木材住宅フェアでは、応急仮設住宅のパネルを展示することで、県産材をふんだんに使用した仮設もあることをPRした。住宅相談コーナーを設置し、住宅に対する相談を受け付けた。
その中でも、自宅が被災にあい建てかえるかリフォームするかに悩んでいる方もいて、木造住宅のよさである梁桁をあえてみせることを提案して、木材の良さを存分にPRすることができた。子供向けに木工教室を開催することで、子供たちに木材のさわり心地やにおいをかんじとってもらい、木材にふれる楽しさをまなんでもらった。
 木材の耐震性をPRするために、木材の耐震キットなどを作成し、木材強さについてPRすることができ、木材のイメージ回復につとめた。この活動により、木材の良さを消費者に再認識してもらうことができた。

 

今後の課題と次年度以降の計画

 熊本地震の影響で、木材=地震に弱いというイメージが大きくついてしまい木造住宅ではなくRCや鉄鋼関係の住宅会社が大きく受注をのばしている。このことは、県産材を一番使用している地域工務店の受注が減少することで、県産材の使用量もおちるので、この地震に木材は弱いというイメージを今後は払しょくしていくことが当面の課題である。次年度以降の計画としては、JBNと連携して、ひきつづき小国杉の視察研修と南郷杉の視察研修を開催し、応急仮設木造住宅の建設地の復興をかねて、ひきつづき被災者の方々と住宅フェアを開催していく予定です。