(株)東京デザインセンター

平成27年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業

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実施概要

「とまり木」プロジェクトの目指すところ

インテリアにおける地域材の利用促進
戦後造成した人工林が本格的な利用期を迎える中、この豊富な森林資源を循環利用し、林業の成長産業化(6次産業化)を実現していかねばなりません。それには、林業家の方々から指摘されていように、建築物内装の木造化推進が課題とされ、住宅分野においては様々な試みが追求されています。しかし非住宅分野の内装という点では、まだまだ木材利用が一般化されていません

特注家具によるオフィスシステム
これまで、檜から広葉樹に至るまで多種多様な地域材を用いて作られた木製オフィス家具は、ほとんど存在しませんでした。しかしデザイン専門家の知と、特注家具メーカーの技を使えば、家具・什器・建具に多様な地域材を用いた、新しいオフィス用家具を一般化させることが可能で。そこで特注家具メーカーが地場産材を利用して製作し、ローカルなオフィスワークステーション(オフィスシステム)を、全国モデルとして提案することにいたしました

地域事業者レベルでの木材の地産地消
プロジェクトでは、(住宅以外の)インテリアに的を絞って地域材利用促進を図りたいと考えましたしかも今回、特注家具を提案した理由は一般に流通する家具よりも特注家具のほうがはるかに地産地消に適っているからです。これまで「家具」と言えばお店で見る家具でしたが、実際は企業数から言っても売上額から言っても「特注家具」分野の存在が大きいのが実状です。しかも地域材利用という点では、一般家具は全国流通させるため、特にオフィス家具の場合、規格の統一と厳しい耐久性試験認定を必要としますが、特注家具は基本的に建築基準法、消防法の内装制限を遵守すれば良く、木質が多様な地域材でも使用できる利点があります。たとえ長くて太い木材や強度・含水率等が明確な木材など工業化された木材の供給体制が整っていなくても、適材適所で地場産材を用いる工夫があれば、その地域における特注家具や建具の生産で地産地消を行うことができます。

林業、家具産業デザイン業の三者連携
今回の試みはそれだけではありません。本事業によって国内で初めて、全国レベルでの林業者⇔製造者⇔設計者の連携を作り出すことを目指しています。今年度は茨城県の県産材を用いて、東京デザインセンター草苅木工日本デザインコンサルタント協会の三者連携で製作しましたが、今後はそれぞれの立場から連携の成果を各業界に伝えていくことで、規格から外れ流通にのりにくいなど、これまで市場性が低かった地場産材をもデザイン力によって価値づける、地産地消の新しいビジネスプラットフォームをつくり出したいと思います。
 

記録写真

国際家具見本市出展に先立ち、プレス発表と兼ねて、林野庁の「地域材を利用した木材製品事業推進」に関するシンポジウムを開催します。パネリストとして、とまり木家具ユニットのデザイナーでもある日本を代表する二人のデザイナー、川上元美氏と小泉誠氏の他、林野庁からも担当官の方々をお招きし、林業、家具産業、デザインの三者連携によって地域材という資源を有効に活用する、林業における「地産地消」を語っていただきます。

日 時: 2016年10月27日(木)午後4時~6時
会 場:東京都品川区東五反田5-25-19 東京デザインセンター ガレリアホール
パネリスト:川上元美(日本デザイン振興会会長、東京芸術大学客員教授などを歴任)、小泉誠(武蔵野美術大学教授、日本クラフト展大賞・毎日デザイン賞他受賞多数)
申 込:event@design-center.co.jp tel 03-3445-1121(参加費無料・要事前申し込み)