一般社団法人沖縄県木材協会

平成28年度 工務店等と林業・木材加工業の連携による住宅づくり等への支援事業

一般社団法人沖縄県木材協会

実施概要

〇事業実施に当たり「木造住宅・県産木製品フェア実行委員会」を設置した。

〇実行委員会構成団体
一般社団法人沖縄県木材協会(実行委員会事務局)・沖縄県木造住宅推進協議会
木と漆の会・沖縄県森林組合連合会・国頭村森林組合

1.実施団体の説明
(1)団体名称:一般社団法人沖縄県木材協会
(2)団体の目的:沖縄県内の木材関係業者等で組織する団体で、木材に係る普及事業及び会
員への情報提供を主な目的とする。
(3)正会員数:33事業所 賛助会員数:9事業所

2.事業の目的
木造住宅及び木造住宅用の資材並びに県産木製品(家具、小木工品)の展示会等を開催し木造住宅及び県産木製品の普及を促進する。同時に「木製品製作体験コーナー」及び「木育ふれあいコーナー」を設置し木材・木製品への親しみや関心を深めることで、木材関連産業の活性化を図ることを目的に開催する。

3.事業内容、事業結果
(1)事業名称:「木造住宅・県産木製品フェア」の開催
(2)開催日時:平成29年1月28日(土)・29日(日)10:00~20:00
(3)開催会場:プラザハウスショッピングセンターフェアモール1階~3階
住所:沖縄市久保田3-1-12
(4)対象者:沖縄県民等
(5)出展事業者数:41事業所
(6)来場者数:6,779名
(7)イベント内容
①木造住宅及び県産木製品の展示紹介
 ・木造住宅出展業者数:18事業所 県産木製品出展業者数:23事業所
②「木製品製作体験コーナー」の設置
 ア.手作り時計製作体験
・実施時間:10:00~16:00(2日間) ・参加人数:71名
イ.木の枝ボールペン製作体験
・実施時間:10:00~16:00(2日間) ・参加人数:90名
ウ.竹馬づくり製作体験
・実施時間:13:00~15:00(2日間) ・参加人数:94名
エ.マイ箸づくり製作体験
・実施時間:15:30~17:30(2日間) ・参加人数:58名
③「木育ふれあいコーナー」の設置
 ア.積み木コーナー
・実施時間:10:00~18:00(2日間) ・参加者数:多数(カウントなし)
イ.木のたまごプール
・実施時間:10:00~18:00(2日間) ・参加者数:多数(カウントなし)

④苗木の無料配布
ア.配布本数:200本(100本/日) イ.配布時間:正午開始(先着順)
 ウ.苗木の種類:ハイビスカス、タイワンレンギョウ
 サガリバナ、ストロベリーグァバ

⑤来場者アンケートの実施
ア.アンケート回答人数:133名

⑥新聞広告の掲載
ア.有料による掲載
・琉球新報及び沖縄タイムス(地元日刊紙):各5段モノクロ
・タイムス住宅新聞(住宅関係紙週刊発行、沖縄タイムスと合わせて配達)
3段カラー、上段は全面記事掲載
イ.取材による掲載
・週刊沖縄建設新聞取材掲載(建設業界紙) ・琉球新報取材掲載
・かふう取材掲載(住宅関係紙週刊発行、琉球新報と合わせて配達)

⑦案内はがきの作成
ア.作成枚数:5,000枚
イ.案内方法:出展者へ50枚~100枚配布し、関係者へ案内、実行委員会事務局から行政、団体、マスコミ関係者へ50枚~100枚を配布し、告知を依頼
 

木造構造躯体の設置状況

木造住宅関係の展示状況

県産木製品の展示状況

積み木コーナー・木のたまごプール
 

事業実施により得られた効果

  1.近年、木造住宅の新築が増加する中で木造住宅施工業者を集約したフェアを県内では初めて開催し各業者の特徴を紹介することで木造住宅の良さを多くの県民にPRすることができた。
2.平成27年度に設立した沖縄県木造住宅推進協議会メンバーの共同出展、県内プレカット工場2社及び県内外の木造住宅施工業者の出展により、県民に対し県内外の木造住宅関連業者を幅広く紹介することができた。
3.木造住宅普及のためには、シロアリ対策が大きな課題となるため、本フェアにおいては、シロアリ等の防除薬剤メーカー、沖縄県保存処理木材協同組合(加圧処理関係)、沖縄県しろあり対策協会(土壌処理関係)の連携で、その対策状況を紹介すること
4.県内の木工関係の団体との連携で、県産材を活用した県産木製品を展示することで、県産木製品の普及及び木造住宅関係との同時展示で来場者の増員等、相乗効果が図られた。
5.木製品製作体験コーナー(手作り時計製作・木のボールペン製作・竹馬づくり・マイ箸づくり)及び木育ふれあいコーナー(積み木コーナー・木のたまごプール)を設置し、親子で木材に親しむ機会を提供し、木の良さをPRすることができた。
6.来場者アンケートの結果の概要について
(1)来場の目的では、「木造住宅に興味がある」及び「住宅建築の参考のために」の2項目の回答で41%(54名/133名)を占めていることから、住宅建築を意識した方を一定程度、集客したことは成果であった。
 
(2)木造住宅の建築コストについては、高いと思っているとの回答が38%(48名/128名)で、標準的な住宅ではRC住宅より割安になることのPRが必要と思われる。
 
(3)木造住宅に対してのイメージでは、ぬくもりを感じる方が99%(128名/129名)で、ほぼ全員がぬくもりを感じると回答していることから、木造住宅の特徴を強調したPRが効果的であることを確認できた。
 
(4)地震や台風に弱いとした回答が36%(45名/126名)、わからない38%(48名/126名)と合わせて74%で、地震や台風に対して不安を感じる方が多いことから、台風や地震に強い施工方法の開発やPRが必要と感じる。
 
(5)シロアリの被害が心配とした回答が78%(100名/129名)であり、シロアリの活動が活発な地域の特徴が回答に現れた。近年の様々なシロアリ対策の紹介及び補償体制の確立などが必要と思われる。
 
(6)住宅工法の好みでは、木造住宅とした回答が64%(84名/132名)と木造住宅に対する良い印象を持っていることが伺えた。
 
(7)実際に家を建てる場合に希望する工法については、木造住宅とした回答が42%(54名/128名)となった。⑥の回答より22%減少しており、やはり木造住宅に対する台風やシロアリ被害の不安が拭えないためと考える。木造住宅の更なる普及を考えた場合には、その対策が重要な要素であることを再認識できた。
 
(8)ここ数年、沖縄県内で木造住宅が増えていることを知っているかの問いに対して「知らなかった」の回答が56%(71名/127名)であり、木造住宅が増加していることを広く周知する必要性を感じた。
 

今後の課題と次年度以降の計画


1.今後の課題について
 
(1)地元の工務店は、小規模事業者であり展示ノウハウ等がなく、積極的な出展希望が少ない結果となった。効果的な展示方法及びPR方法等について協議調整が求められる。
 
(2)県内で木造住宅の全体的な底上げを図るためには、木材業者系の施工業者、地元工務店、木造系ハウスメーカーなどが連携した木造住宅推進策の展開も必要と思われる。
 
(3)県内では依然としてRC住宅が多く施工されており、近年、RC住宅の内装施工において軽天工事が普及している影響で、木材需要が大きく落ち込んでいる。木造住宅の普及事業と合わせて、RC住宅の内装施工における木材活用促進策を検討する必要がある。
 
(4)フェアの企画に係る事項
 
①開催期日の設定について
今回は、他の大きなイベントと重複したことで、来場者に影響したと思われる。今後、イベントを開催する場合は、事前調査が求められる。
 
②開催場所の設定について
今回はショッピングセンターで開催したため、木造住宅に係る展示方法等の制約を受けた。(設営及び撤去中の騒音への注意、教示パネル使用不可及びのぼり掲示不可など)今後は、出展者の設営方法を想定した会場設定が求められる。
 
③広報手段について
フェアの告知方法として、主に一般の新聞広報(2社)及び住宅専門誌(週刊)への掲載で対応したが、テレビなど各マスコミに対し、事業への後援を依頼するなど、周知方法の改善が求めれらる。

2.次年度以降の計画 本事業の実施結果を踏まえて、(一社)沖縄県木材協会及び沖縄県木造住宅推進協議会で次のとおり検討を行いたい。  
(1)木造住宅の普及及び木材利用促進(内装施工も含めた)を図るための事業内容について、意見集約を行う。(展示会及び見学会の開催、事例集作成など)
(2)木材業者系施工業者及び地元工務店、木造系ハウスメーカーとの連携による普及事業の可能性について協議を進める。