建具家具普及協議会

平成30年度 A材丸太を原材料とする構造材等の普及啓発事業

建具家具普及協議会

事業計画


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実施概要

建具家具普及協議会について
 当協議会は、国産材木材普及におけるかつ集うに資することを目的とし、
主に
1)国産材の素材分析、加工方法、活かし方における研究
2)国産材普及のための加工品試作(マーケティング、企画デザイン、製作)
3)国産材普及のためのマーケティングおよびPR活動(セミナーや展示会の実施)
4)日本家具産業振興会、茨城県家具建具商工連合会や自治体等との連携
などの活動を行う。
事業の目的
 木製建具の衰退により、国産材利用が減少し、職人が激減している。
 日本の風土に適した建具である「間仕切り」を和洋の垣根を超え、また新しい用途、デザインと機能性を備えた商品を開発し、その魅力を発信する。
 国産材の利用促進、普及につなげていく。

 
事業内容
普及イベントおよび展示
①2018年11月14日(水)~16日(金)
IFFT/ INTERIOR LIFESTYLE LIVING
インテリア・デザイン市場のための国際見本市

東京ビッグサイト(東京国際展示場)西1.2ホール+アトリウム
主催:日本家具産業振興会・メッセフランクフルトジャパン株式会社
出展社数宇 424社 15か国
来場者数 17574名 33か国

 JAPAN STYLE のコーナーに展示。
 「和」への注目度が高まっている中、建具という空間を仕切る日本の暮らしの道具を見直し、現代様式にも取り入れてもらうための啓発を行うべくユニークな商品を試作し、国際展示会にて提案を行った。
 本事業のテーマは、国産材利用の促進ということから、企業の意識を変えるべきだと考え、オフィスの木質化を推進するために、敢えてメインターゲットを企業向けとした。
 テーマは「オフィスに森林を」
 働き方改革という施策の元、労働生産性の向上のためにさまざまな取り組みが行われているが、一日の大半を過ごすオフィス環境を快適な空間に保つことは生産性をあげるためには重要であるとして、天然木加工商品の魅力を伝えた。
 提案した商品の素材はヒノキでストレスを軽減し、また集中を可能にする可動可能なデスク上の小さな間仕切り。
 単にデザイン性を主張するのではなく、天然木だからこそもつ、香りや手触り感、目への反射率の低さも魅力として伝えた。

 展示は、コンセプトプロダクトとして、さまざまな「自分の空間」を間仕切りで作ることが可能と演出を施し、「お茶に興じる」「絵を描く」「写経に集中する」「積み木で遊ぶ」と4つのシーンを描いた。
 またプロトタイプ商品を用意し、実際触っていただき、その手触り感や軽やかさを体験していただいた。

 昨今オフィス環境として部署間を超えコミュニケーションを図れるようフリーアドレスを導入している企業が増えた。 ブースにてさまざまな企業のワーカーにヒアリングしたところ、フリーアドレスは「集中できない」「隣との距離感がわからない」「道具が広げられない」等ストレスを感じている声が多数寄せられ、当協議会の展示した商品ニーズがあることを確認した。

 その他、個人ニーズも高く、見た目よりも軽量で持ち運びがしやすいことから外国人バイヤーから、インバウンド向けのお土産も良いと評価いただいた。

 また子供向けリビング学習の道具として優れていると多数の方からのコメントが寄せられ、メディアからも取材を受けた。
https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1698/#THE_MAJIKIRI_PROJECT
 さらに、デスク上の間仕切りは、お茶の野だてのための道具箱として、そして、そのまま結界としての役目も果たすので、お茶箱バージョンも作ってほしいと根津美術館はじめお茶の専門家の方からの意見が寄せられた。
 持ち込んだパンフ1200部は1部も在庫することなくブースを訪れた方々に持ち帰りいただいた。

PR冊子 3000部作製 建具の歴史、健康工学としての木材利用、他


②12月14日(金)
東京大学弥生講堂
 東京大学木材学会居住性研究会にて本商品を展示、同研究会に参加された京都大学院大学仲村准教授、広島大学大学院木村准教授にコンセプトと商品設計を評価頂いた。
 手触り感、職人のしっかりした作りに加えてデスク上の間仕切という発想がユニークとの感想をいただいた。また健康工学と木材の因果関係、先生方の研究テーマである室内空間の木材使用量と健康状態との関係を学び、木材の視覚による効果や吸放湿効果を官能検査の効果測定するワークショップにも参加した。今後は、より学術的な分野の方々とのコラボにより木材の健康効果についてのデータも含め啓発を行う必要があると考える。
 また東京大学農学部の信田教授にも当協議会の活動をプレゼンすることができた。
 


③1月19日(土)
草苅木工株式会社 展示室
 グループ会社の岡野設計他、建具会社数社向けの展示会開催。
 本展示の目的は、同業あるいは低迷する建具業界に向けての新しい発想での商品開発、マーケットをつくっていくべきと建具の在り方の情報交換会、勉強会となった。
 もともと室内空間を仕切る間仕切りを、和の世界に固執せずに洋室やオフィス空間を仕切る考えはモノづくり分野の職人さんたちへも大いに刺激になったと思われる。


④2月7日(木)
株式会社アールクロスラボ内 展示
 コクヨをクライアントに持つブランディング会社株式会社tcd、オフィスデザインの株式会社ディーサイン参加
当協議会の活動説明
 商品コンセプト説明のち、商品の評価について→デザインはシンプルでヒノキの良さが引き出されている。極力仕上げは自然のままの方が良いが外面は汚れや傷を考えウレタン塗装も致しかたがないのではないか。価格は高価格でも良い。持ち手や留め金などは天然素材を用い、なるべく金属的なパーツを無くしていく方がよいのではないか。(革やなるべくヒノキの色と相性の良い色目の留め金など)海外向けに、より魅力を伝えるのであれば、例えばIFFT展示の際に演出を施した3Dカットたパネル(組子風)なものを意匠として取り付けた方がより魅力が増すのではないか。またオフィスにおいて本商品を格納するためのロッカーや棚のサイズなども関係するため、オフィスの内装に商品サイズを合わせられると良いのではないか等さまざまな意見が寄せられた。
 
 
試作品について
 もともとはリビング学習の文具のひとつとしての仕切りを参考にした。
 女性建築士を中心に、健康工学のプロ、木工デザインのプロ、木工職人、インダストリアルデザインのプロの意見も取り入れつつ、「オフィスに森林を」というテーマで単にデザイン性の高いという観点だけではなく、木材の良さ(手触り、香り、視覚的な魅力)を感じられる商品とすることに注力した。内装の木質化推進は最近よく聞かれる流れだが、先出のディーサイン代表から、「木質のイメージは大変良く、働く人々の作業効率や健康面を考えて木材利用を推進しているが、最後は価格競争の中で削られる」という意見を聞いていたため、全面的に空間の丸ごと木質化を推しても導入にハードルが高いと考え、ポータブルな建具という考えであれば、比較的受け入れられるものと考案した。
 
展示会宣伝、報告 rcrosslab.com/ifft2018
木材利用促進、間仕切りプロジェクト取り組み説明、活動宣伝、商品宣伝等 majikiri.org(日英)
間仕切り商品(JIBUN ADDRESS)説明パンフ(チラシ)使用シーンの説明、商品規格等。

事業実施により得られた効果

 平安以前から建具は空間を仕切る道具とし、季節季節の中で時には寝室、時にはお茶遊びと空間を作ってきた遊び心のある日本人の知恵にヒントをもらい、新しい建具(あるいは可動式家具)を提案したが、本商品は非常にユニークかつ新しいと評価を受けたことで、建具の新しい活路が見いだせたと感じた。
 販社、メーカー、職人、海外バイヤー含め、天然木の新しい魅力が伝えられた。またさまざまな意見を頂戴したことで、お茶箱など別バージョンのプロダクトが生まれる可能性も感じられた。
 コンセプトを明快にし、デザインにこだわりすぎるではなく、生活を豊かにする、健康にする道具としての提案が多くの人に受け入れられたと感じた。
 

今後の課題と次年度以降の計画

 当協議会では試作においてさまざまなアイディアが出たが、今回はテーマを絞りひとつの商品のコンセプトを通して、日々の暮らしや働く空間を豊かにするための木材利用を促進できたと思う。
 商品についてはブラッシュアップし、具体的に販社に提案を進めていきたい。
 建具業界の衰退は未だ歯止めが利かないが、業界の活性化を図るために、建具職人たちともより情報交換を図り、新しい形の建具の在り方を追求しマーケットをつくりたいと考えている。また木材の魅力を伝えるにあたり、木材の香りの効果についてはすでに認知度が高いが、今後は触感や目に入るものによる健康効果をより掘り下げて利用を促進できるよう、より専門家との研究や活動を行う必要がある。
 また、試作とは言え国際展示会に披露することは、企画、アイディアを公開してしまうことになるため、今後は意匠特許の取得なども事業の中で同時に行う必要があるのではないかと考えた。