一般社団法人 木のいえ一番協会

令和元年度 顔の見える木材での快適空間づくり事業

一般社団法人 木のいえ一番協会

事務局所在:東京都

実施概要

事業計画


事業計画(pdfで表示されます)

 

実施概要

実施団体の説明
 平成24年に“「木のいえ」の新しいマーケットの創造のための技術開発やマーケティングを推進し、木と暮らす文化を広め、木を活かす大きな流れを作ることを目的に設立。会員は、工務店、ログ建設業者、商社、木材・建材流通業者など124社となっている。
 主な事業として、木の現わし使用を主流にするため、設計者等向けの「木材の現わし使用の手引き」やエンドユーザー(住まい手)向けの「木のいえ 木材現わしハンドブック」を作成し、木の現わしセミナー等で配布するなどの活動を行っている。
 また、ログハウスの魅力を発信するため、シンプルなデザインで小規模・低価格の国産材ログハウス(プリミティブ・ログハウス)を開発し、ログ建設未経験の工務店への設計・施工支援等を推進している。
 さらに、CLTを住宅にも使用するため、CLT低層実験棟を建設し、各種実験データの収集や見学会、宿泊体験等を実施している。 
 以上の事業の成果等も踏まえ、「木のいえデザイン × 耐久性シンポジュウム」など、木のいえ普及のためのイベントやシンポジュウム等を実施している。
 
テーマ
スギA材を使用したログ材の普及・啓発
 
事業の背景と目的
背景
  • ・国産材A材の利用拡大を図るためには、大径材化する国産材の平角等の需要が見込め、かつ一般住宅の約3倍の木材を使用するログハウス市場の拡大を図る必要がある。
  • ・しかし、ログハウスの市場規模が小さく、工法自体のなじみが薄いこともあり、未だ別荘や山小屋といった残念な誤解を持たれているのが実態である。
  • ・一方、2022年問題対策として生産緑地に「田園住居地域」が創設され、改正建築基準法により木材利用の推進に向けた規制の合理化が図られ、木材の現わし使用や木構造の可能性が広がり、国産材ログハウスの新たな市場の拡大が期待される。
目的
  • ・ログハウス建設未経験の工務店や設計者に対し、ログ工法の特性や魅力等への理解を深め、スギA材を利用した国産材ログハウスの普及・啓発を推進するとともに、スギ大径材の新たな需要創出と安定供給を図り、山元への利益の還元を目指す。
 
事業の内容・結果
1.木材の現わし使用の手引き等の整備
① 建築設計者等向け「木材の現わし使用の手引き」の改訂
 平成27・28年度林野庁補助で作成した「木材の現わし使用の手引き」を、木材の現わし使用の合理化等を背景に全体的な見直しを行い、建築設計者等向けにより分かりやすく改訂した。

② 消費者等向け「木のいえ 木材現わしハンドブック」の改訂
 木材の現わし使用の手引きの改訂及び木材の香りとホルモン量の変化等の新な科学的な知見が得られたことなどから、平成28年度林野庁補助で作成した「木のいえ 木材現わしハンドブック」を改訂し、木材の効用や現わし使用の維持管理等をより分かりやすくした。
 
2.スギログ材及び組立てキットの作製
 ログハウス建設未経験の工務店等にもログ工法の構造や仕組みが体感・理解できる、現在主流となっている角ログ、鋼製ダボ、通しボルト等を使用した、実物大のノッチ部分の組立てキットを作製した。
 
3.プリミティブ・ログハウスの模型の製作等
① プリミティブ・ログハウスの模型の製作
 当協会が開発したシンプルなデザインで小規模、低価格のプリミティブ・ログハウス(国産材ログハウス)の魅力を発信するとともに、実際の間取りや住まい方を体現できるツールとして、プリメロ及びピアッツアの30分の1の模型を製作した。
プリメロ 左:外観 右:内観
 
ピアッツァ 左:外観 右:内観

② プリミティブ・ログハウス普及・啓発用パンフレット等の作製
  • ・初めてログハウスに取組む工務店等に対して、a) ログハウスへの誤解を解くとともに、b) プリミティブ・ログハウスの概要や特徴、c) プリミティブ・ログハウスのコンセプト・基本データ・平面図・協会の支援内容等についてまとめた普及・啓発用のパンフレットを作製した。
  • ・また、これに合わせて木のいえ一番協会のパンフレットの見直しを行った。


 ③ ログハウス普及・啓発用パネルの作製
プリミティブ・ログハウスに加え、市街地に建つログハウスや病院等非住宅のログ施設を紹介するパネル9枚を作製した。
  パネル一覧  
 
4.木のいえ(国産材ログハウス)ビジネスセミナーの開催
 11月13日、Japan Home & Building Show2019(東京ビッグサイト)において、新建新聞社が開催する「工務店ミライセッション 2019 サキガケ」の中で、「これからの木造住宅」をテーマに、ログハウスを含めた木造住宅のブランディング化やログハウスビジネスの魅力等について4名の講師によるセミナーを開催した。
 新建新聞社には、プレスリリースやSNS配信など、広報の全面的なバックアップを受けた。
セミナー会場の状況
 
5.JBN全国会員交流会2019 in 熊本への出展
 11月26・27日、(一社)JBN・全国工務店協会が熊本市市民会館シアーズホーム夢ホールにおいて、「手をつなごう地域の力、集めよう全国の力」をテーマに開催した全国会員交流会に出展し、プリミティブ・ログハウスの模型等の展示や普及・啓発用パンフレットの配布等を行った。
出展状況1 出展状況2
 

事業により得られた効果

1.木材の現わし使用の手引き等の整備
 今回改訂した建築設計者等向け「木材の現わし使用の手引き」及び消費者等向け「木のいえ 木材現わし使用のハンドブック」とも、関係者から“より分かりやすくなった。”との評価を得ている。
 また、木のいえ(国産材ログハウス)ビジネスセミナーやJBN全国会員交流会で配布したところ、多くの来場者から説明を求められるとともに“お施主さん等への説明資料に使いたい。”など好評を博したところである。
 さらに、M県木連からは“木材関係者の研修教材に使いたい。”と500部の要望があるなど、ログハウスなどの木材の現わし使用の普及・啓発に大いに役立つものと考えている。
 
2.スギログ材及び組立てキットの作製
 この組み立てキットは、ログハウスを知らない人やログハウス建設未経験の工務店等に対し、実際のログハウスの構造、仕組み等が体験できるツールとして関係者から高い評価を受けている。
3.プリミティブ・ログハウスの模型の製作等
 本事業で製作したプリミティブ・ログハウスの模型と普及・啓発用パンフレット及びパネルを併用することによって、ログハウス建設未経験工務店等にもログハウスの魅力やメリット、当協会の支援内容等を具体的に説明できるツールとしての評価は高い。
 また、木のいえ(国産材ログハウス)ビジネスセミナーやJBN全国会員交流会で展示、配布したところ、多くの来場者が関心を示し、国産材ログハウスの普及・啓発に寄与したと考えている。
 
4.木のいえ(国産材ログハウス)ビジネスセミナーの開催
 「これからの木造住宅」をテーマに開催したこのセミナーには、工務店、設計者、マスコミ等80名を超える参加者があるなど非常に盛況であった。
 セミナー終了後には、紹介されたプリミティブ・ログハウスの建設現場への視察についての問い合わせがあるなど、国産材ログハウスの普及・啓発に寄与したと考えている。
 
5.JBN全国会員交流会2019 in 熊本への出展
 JBNの全国会員交流会には、全国から約500名を超える会員が参加し、会員相互間の交流を図るとともに、各分科会の開催など盛会のうちに終了した。
 JBNの会員は、新しい技術や情報、ビジネスチャンスに対する意識が高く、新しいログハウスの用途やプリミティブ・ログハウス、木材の現わし使用のハンドブック等に興味を示す来場者も多く、初めての参加としては所期の目的を達成したと考えている。

 

今後の課題と次年度以降の計画

 本事業で取り組んだ5つの事業により、工務店等が抱くログハウスに対する誤解を解くこと、ログ工法の特性や魅力等への理解を深めること、スギA材を原材料とする国産材ログハウスの普及・啓発に一定の成果を挙げることができたと考えている。
 しかしながら、ログハウスに対する誤解の払しょくや市場規模の小さいログハウスビジネスへの参入メリット等について、ログハウス建設未経験の工務店等の理解を深めることは一朝一夕にはいかないことも承知しているところである。

 当協会としては、今回の事業により整備した木材の現わし使用の手引き等やスギログ材及び組立てキット、プリミティブ・ログハウスの模型等の普及・啓発ツールを活用し、次年度以降についてもスギA材を原材料とする国産材ログハウスの普及・啓発に努めていくこととしている。
 具体的には、今後、当協会のログハウス普及部会で行うセミナーや令和2年4月に開催する「健康と木材・木造建築を考えるシンポジュウム」(仮題)でのプリミティブ・ログハウスの模型等の展示やパンフレットの配布、JBN国産材委員会との連携強化を図り、国産材ログハウスの普及・啓発に一層努めてまいりたい。
 また、お施主さん向けのプリミティブ・ログハウスの普及・啓発用のパンフレットについても検討していくこととしている。