協同組合福岡・大川家具工業会

令和元年度 顔の見える木材での快適空間づくり事業

協同組合福岡・大川家具工業会

事業計画


事業計画(pdfで表示されます)

 

実施概要

実施団体の説明
 実施団体である、協同組合福岡・大川家具工業会は、組合員数131社を有する家具を製造するメーカーで組織する協同組合です。
 当工業会では、その内部組織の地域材開発委員会を中心に、地域林業推進のための「林業成長産業化地域」に選定された糸島市、産学官で構成する「国産早生樹連絡会」、福岡県八女森林組合、地域のビルダー、工務店、住宅建材商社などの協力の下、産学官共同でのセンダン、ヒノキ等の国産材による家具の製作普及に加え、本年度はA材杉の利活用推進を目指し、「家具メーカーが作る小屋」と題し、3坪未満の小屋の提案を行います。
 
事業の目的
 当工業会では、その内部組織の地域材開発委員会を中心に、地域林業推進のための「林業成長産業化地域」に選定された糸島市、産学官で構成する「国産早生樹連絡会」、福岡県八女森林組合、地域のビルダー、工務店、住宅建材商社などの協力の下、産学官共同でのセンダン、ヒノキ等の国産材による家具の製作普及(プロジェクトSOUSEI2019、ふるさと家具プロジェクト2019)に加え、本年度はA材杉の利活用推進を目指し、「家具メーカーが作る小屋」と題し、3坪未満の小屋の製作(大川小屋プロジェクト)にも取り組みました。
 また、九州におけるセンダンの人工林育成先進地熊本県では、本格的にセンダンの間伐が必要となってきたことで、その活用法の一つとして、末口経が20㎝未満の間伐材の提供を熊本県から受け、間伐材で家具材としての利用を前提とした集成材の作成にも取り組みました。
 
事業内容・結果(事業項目ごとに具体的に記載)
SOUSEIプロジェクト2019
 2017年度より取り組んでいる早生樹センダンを使った試作品の開発で、本年も引き続きセンダンの無垢材、突板など使った試作品の作成を行った。
 これまでの成果を踏まえ、一般の家具市場ではなく、より工務店、販売店などの住宅関連事業者を意識した試作品づくりにシフトし、住宅、マンションのモデルルーム向けの提案を前提に、リビングルーム、ダイニングルームなどの生活シーンを提案できる商品構成を意識した商品構成を目指した。
2020大川家具新春展(1/15~16)
 
2020越智産業アイラブホームフェア(1/18~19)
 
福岡県庁11F よかもん広場(1/27~4/24)

 SOUSEIプロジェクトに関しては、当工業会としてセンダンの植樹も行っており、使用するだけではなく、育てて、付加価値を付けた商品を製作し、また植樹するという一連の持続可能な資源としてセンダンをとらえている。
 この活動に共感していただいたファーストリテイリング様との協業で、福岡県糟屋郡のイオンモール福岡内のユニクロ(1000坪)、GU(1000坪)の複合店舗の中心に位置する休憩スペースをセンダンのPRスペースとして、当工業会にプロデュースの依頼があり、昨年10月25日のリニューアルオープン以来、センダンのPRポイントとして活用している。
 
ふるさと家具プロジェクト
 昨年取り組んでいる「ふるさと家具」(商標登録済み)プロジェクトでは、今年より譲与が始まった「森林環境譲与税」の使途の提案を目指し、非住宅での利用を前提とした試作品の製作を行った。
 まず、「WATAI」と称するリヤカーに着想を得たマルシェやフリーアドレスオフィス、社員食堂などでの利用を想定した「屋台」の提案を、福岡県那珂川市産のヒノキを用いて行った。これは、立っての作業を想定したハイタイプと、座っての作業や飲食を想定したベンチタイプの2モデルを製作した。
 
東京ビッグサイト 2019ジャパンホームショー(11/13~15)
 
2020大川家具新春展(1/15~16) 2020越智産業アイラブホームフェア(1/18~19)
 
 また、那珂川市産のヒノキを使った「ユニットフローリング」(900㎜×900㎜、厚さ20mm)の試作を行った。
 これは、古くなったフローリングや、カーペットの上に設置することで、フローリングのような感覚で使用することを目的としたもので、福岡県庁11階「よかもんひろば」での展示に、厚さ150mmに変更したものを展示した。
福岡県庁11F よかもん広場(1/27~4/24)

 次に、脚立に着想を得てデザインした「スイ」
 那珂川市産のヒノキで作った三角錐にランダムに足場を取りつけ、それに梯子を渡すことで、ベンチやカウンター、陳列棚など使用者のアイデアでいろいろなシーンの演出が可能となる。
 また、「スイ」を並べて配置することで、空間を区切る効果も期待でき、ルームインルームや屋内の大空間の間仕切りとしての利用も想定する。
 
スイ
 
東京ビッグサイト 2019ジャパンホームショー(11/13~15) 2020大川家具新春展(1/15~16)
2020越智産業アイラブホームフェア(1/18~19)

 最後に「ダイ」 一見変哲もないベンチに見える「ダイ」は、その通りにベンチとしても使うことはもちろん、重ねて使えば階段として脚立代わりに、また展示台やマガジンラック、収納としての使用も想定される。また、容易に移動が可能で、いろいろなシーンでの利用が可能となる。
ダイ
 
大川小屋プロジェクト
 日本有数の家具産地である大川地域の木工・家具の技術を活かした「大川小屋」の製作にチャレンジした。大川の技術を活かした最小の建築物であり最大の家具が大川小屋。この小屋は屋根が引出のようにスライドし部屋の階段が空まで繋がる階段が現れるしくみとなっている。
 大川は元来の船大工の技術から様々な時代を経て家具や建具などの技術へと進化してきた。この「大川小屋」は建築家の斬新なアイデアと大川の技術を併せたフラッグシップとし、大川が家具や建具だけの分野に留まらないための新たな挑戦である。
 
東京ビッグサイト 2019ジャパンホームショー(11/13~15)

  これらの3プロジェクトの成果発表として、
1. ジャパンホーム&ビルディングショー2019
会期:2019年11月13日(水)~15日(木)
会場:東京ビッグサイト西棟
出品商品:SOUSEI関連商品、ふるさと家具関連商品、大川小屋
2. 第52回大川家具新春展
会期:2020年1月15日(水)~16日(木)
会場:大川産業会館(福岡県大川市)
出品商品:SOUSEI関連商品、ふるさと家具関連商品
3. アイラブホームフェア2020in福岡(越智産業㈱主催)
会期:2020年1月18日(土)~19日(日)
会場:マリンメッセ福岡(福岡県福岡市)
出品商品:SOUSEI関連商品、ふるさと家具関連商品
4. よかもんひろば
会期:2020年1月27日(月)~4月24日(金)
会場:福岡県庁11階「よかもんひろば」イベントスペース
出品商品:SOUSEI関連商品、ふるさと家具関連商品

  へ出展した。
 

事業実施により得られた効果

 まず、2017年度より取り組んできたSOUSEIプロジェクトにおけるセンダン材家具については、今回食堂椅子の製作も行い、一通りの家具すべてにおいて適材であることが証明された。
 これからは、より一層センダン材を使用する仲間を増やし、そのラインナップを増やすことで、一般消費者への認知向上を目指す。
 また、この中で、これまでの家具の流通ルートではなく、新たなパートナー(住宅、非住宅、異業種など)との取り組みを目指すことで、一般の家具との差別化を図っていく。

 ふるさと家具プロジェクトにおいては、新たに家具以外の商品開発を行ったこと、家具以外の商流の展示会へ出展したこと(ジャパンホーム&ビルディングショー、アイラブホームフェア)で、これまで想定していなかった新たな出会いが多くあり、家具メーカーの新しい方向性を見出すことができた。
 また、植樹を通じてつながった自治体関係者の皆様を通じて、地域材を活用した家具装備品についてのご相談も増えつつあり、実際に「WATAI」に関しては、すでに2つの自治体より発注をいただいている。
 また、複数の大企業より「WATAI」導入についてのお問い合わせもいただいており、予想以上の成果となった。

 大川小屋については、今回はプロトタイプとしての出展となったが、展示会(ジャパンホーム&ビルディングショー)の会期中には、多くの建築関係の方々や、キャンプ場関係者、それに加えて、海外のデザイナーの方々とも出会うことができ、このプロジェクトの有効性を感じることができた。

 なお、今回の事業で製作予定だった「SOUSEI」「ふるさと家具」カタログについて、試作品作成が遅れた関係で、事業終了日時までに間に合わせることができなかったため、3月末の完成を目指す。
 

 3.今後の課題と次年度以降の計画

 SOUSEIプロジェクトに関しては、今年からセンダンの人工林で、間伐作業が始る。
 これは当初想定していたより広い土地面積が1本のセンダンの育成に必要なことが分かり、当初は想定していなかった間伐が今後必要となってくる可能性が出てきたことによる。
 このことから、当工業会の取組の中でも、間伐材の有効利用が求められてくるものと考える。
 本年は、とりあえず間伐材(末口経20㎝未満)で集成パネルの作成を行ったが、次年度以降は、これを用いた試作品の製作に取り組み、家具、インテリア材としての有用性の証明を行っていく。
 
 ふるさと家具プロジェクトに関しては、森林環境譲与税の譲与金額が当初予定より前倒しで増額されることから、各自治体での活用法の模索も本格化していくものと思われ、これに対応した商品の提案ができるように、新たな試作品の製作や、非住宅向けの充実したカタログ作成を目指す。
 また、植樹や地域材の活用を通じた新たな自治体との交流を目指すとともに、すでに交流のある自治体との具体的な商品提案などを目指す。

 大川小屋プロジェクトについては、今回、地元の多くの家具メーカー以外方々の協力で、プロトタイプの製作ができたが、これを通じて、家具メーカーだけで小屋を作ることでの多くの課題が浮き彫りとなった。
 この事業については、継続を前提とするが、一つ一つの問題点をどう解決していくか、解決できるものかをよく見極めて、事業の再構築を行う必要があると考える。