コイヤ協議会 事務局 NPO法人 宮崎文化本舗

令和元年度 顔の見える木材での快適空間づくり事業

コイヤ協議会

実施概要

事業計画


事業計画(pdfで表示されます)

 

実施概要

実施団体の説明
 コイヤ協議会は、国産材の杉やヒノキの付加価値を高めることで、産地とエンドユーザーの関係性を見直そうという目的のもと、賛同する国内の事業者、デザイナー、NPO等によって組織された共同事業体です。
 外国製の安い家具ではなく、自分たちでモノを作ることで愛着をもってもらい、大切に使っていくと同時に、収益が産地に還元される新たなサプライチェーンの構築を目指しています。ただ単にモノを買うだけの”消費者”ではなく、一緒にモノを創っていく”共創者”としてエンドユーザーを位置づけ、洗練された木製の家具や玩具、日用品から住宅まで供給できる仕組み作りに取り組んでおり、協議会に参画する事業者も増えています。2020年4月よりネット販売を中心に本格的な販売を開始するよう鋭意準備に取り組んでいます。
 
事業の目的
 先人たちが荒廃した山林に木を植え・育ててきた資源が、今まさに利用期を迎えこの豊富な地域資源を活かした地域経済の活性化が求められています。一方で、長期に亘る木材価格の低迷、森林の育成期が長く続いたこと等から、森と地域と都市の距離が離れてしまっています。また、今後の人口減少により木材需要の縮小が懸念されます。
 これらの解決に向けては、地域の豊かな素材、人、技術、くらしや文化などをデザインの力を借りて具体的に見える化し伝えること、また、web等を活用し売るしくみをつなげることで、中間コストを下げつつ、エンドユーザーのニーズを見据えた高付加価値製品を、消費者にとっては安価で、販売側は高価格となるよう取り組む必要があると考え、新たなサプライチェーンの構築に取り組みます。

事業内容・結果
① 新しい仕組みの構築に向けた検討会
 検討会ではコイヤ協議会が取り扱う商品の流通に関するコスト試算、デザイン、機能性などはもちろん全国にも対応できる供給体制について議論を重ねてきました。全国津々浦々から集まって話し合うのが月1回。それだけでは時間的に不十分なので検討会と検討会の間にはメーリングリストで積極的な意見交換が行われました。協議内容はコイヤのコンセプトの明文化、商品の選定、宅配業者の選定からWEBのデザインや機能など多岐にわたり1回の会議が休憩を挟んで4時間近く行われました。併せて、製品発表会での役割分担やイベント内容に関しても議論し、令和元年8月から12月まで月1回で全5回、開催しました。
 
② コンセプトデザインおよび各商品の安全基準の策定に向けた試験の実施
 エンドユーザーが自ら創るいわゆる「DIY」商品には明確な安全基準を策定することは容易ではありません。地域の大切な資源を使って、地域で作り、地域で使い、地域で育んでいくモノを通じて沢山のコトがつながる新しいモノづくりについて消費者に伝えるためのコンセプトデザインの策定やその背景までを伝えるツールとしてのカタログやECサイトに対応できるwebページを作成しました。
また、コイヤ協議に加盟する事業者が守るべき独自の安全基準のガイドブックを策定しました。

 
③ 製品発表会関連(普及イベント)
 国内で開催される大規模な展示会の出展及び本協議会主催の展示会を開催しました。本協議会で開発した家具の製作DIY教室や、各地域の人工林や木材加工等を知ってもらうためのパネル展示、商品のLCAなどのパネル展示、協議会内で役割分担をおこない各担当別に木育ワークショップ等も併せて開催。大阪、東京と北海道全4ヵ所で実施しました。
 
大阪会場 キッチンワールド2019(リフォーム産業フェア―2019 in 大阪)
日時:令和元年8月5日(木)~6日(金)10:00~17:00
会場:インテックス大阪 4・5号館
 会場内で一番人気だった『キッチンワールド』ブースのプロデュースを手掛けたSTUDIO KAZ和田浩一氏 (コイヤキッチンを展示)のセミナーは二日間で最も多い聴講者を集め、立ち見が出るほどだった。『コイヤ』に対する取り組みに大きな関心を寄せていただいた。その上で、素材に対する質問、流通、納期、価格に関する質問が多かった。
 
函館会場 木になる展in函館
日時:令和元年11月15日(金)~28日(木)
会場:無印良品シエスタハコダテ3F Open MUJI
 コイヤ協議会の構成団体の一社である(株)ハルキが中心となって、良品計画の道南の基幹店である無印良品シエスタハコダテとのコラボにより2週間にわたり製品発表会を開催。コイヤ商品のひとつであるキッチンとベッドをメインに展示、またコイヤのコンセプトを記載したパネルを展示した。(期間中の来場者220名)開催期間中の週末は、市民を対象に木育ワークショップや講演会を開催した。
  • 11月16日(土) 組み接ぎでつくる箱型ベンチ(参加者20名)
  • 11月17日(日) シカタカタ(参加者21名)
  • 11月23日(祝・土)木になる暮らしのことを話します(参加者21名)
  • 11月24日(日) 道南スギのカズーをつくって演奏しよう(参加者50名)

東京会場 エコプロ2019
日時:令和元年12月5日(木)~7日(土)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト西館
 コイヤのエコロジカルなコンセプトが一般客に、どのように受け入られるかという反応を見るために「エコプロ2019」に出展。コイヤ協議会のメンバーである宮崎県スギ活用推進室と連続でブースを共有し来場者に対しコイヤ製品の紹介を行うと共に、コイヤ商品に関するアンケート調査を行った。イベント全体の参加者は3日間で約15万人。コイヤのブースには約100分の1の1,500人が来場。うち10%弱の140人の来場者からアンケートの回答を得た。またNHK制作の海外向けの番組の取材を受けた。(放送日は2020年2月頃を予定)
 

東京会場 木になる展in東京
日時:令和元年11月9日(土)~12月26日(木)
会場:MUJI.com 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス エントランス
 コイヤ協議会と良品計画そして武蔵野美術大学のコラボレーションによって実現 した「消費者から共創者へ」をテーマとした商品発表会を1カ月半にわたり開催。期間中に、構成団体の協力により様々なワークショップやトークイベントを実施した。展示期間中の会場で、来場者に自由に国産材の杉・檜の端材に自由にペイントしてもらいクリスマスツリーを完成させようという企画を実施。多くの来場者に参加いただき、モノづくりの楽しさに触れる機会を創出した。ワークショップ参加者に対しコイヤ製品の紹介を行うと共に、コイヤ商品に関するアンケート調査を行った。
 (期間中の来場者17,800人 ※ 期間中ワークショップ等参加者数 延べ232名)
  • 11月9日(土) オープンニングトーク 「消費者から共創者へ」(参加者42名)
  • 11月23日(土) 「杉とノコギリで『積み重ねられる本棚』をつくろう」(参加者2名)
  • 11月24日(日)「ウッドフラワーワークショップ(参加者16名)」
  • 11月24日(日)「端材でつくるクリスマスミニツリー&ミニカーワークショップ」(参加者12名)
  • 12月7日(土)    「杉とノコギリで『高さの変わる2WAYスツール』をつくろう」(参加者2名)
  • 12月7日(土)〜8日(日)「北海道の素材でクリスマスリースづくり」[(参加者28名)
  • 12月8日(日)「北海道の木でオーナメントづくり」(参加者36名)
  • 12月8日(日)「キッチンのことをキチンと考える」(参加者15名)
  • 12月14日(土)トークイベント「『共創者』って何だろうコイヤが目指す持続可能なものづくり」(参加者10名)
  • 12月14日(土)「ヒノキの木んぎょと杉のお面(クリスマスバージョン)の色塗りワークショップ」(参加者14名)
  • 12月15日(日)「世界に一つだけの木製ビスケットネックレスをつくろう」(参加者30名)
  • 12月21日(土)〜22日(日)「遠い国のお家を作ろう -クリスマスバージョン-」(参加者25名) 

④ アンケート調査

 製品発表会の各会場で来場者、ワークショップ参加者に対し「コイヤ」の製品に対するイメージのアンケート調査を実施した。(詳細に関しては報告書に記載)有効回答者数226名のうち「コイヤ製品のコンセプトを理解したという設問には全体の98%が理解できた、又は少しは理解できたとの回答を、またコイヤ製品が発売されたら購入してみたいかという設問には、是非購入したいが19%、余裕があれば購入したいが47%、価格によって考えるが31%と全体の97%の回答が、コイヤ製品に対し良い印象を持ったことが伺える結果を得ることができた。

⑤ その他制作物

 


 

事業実施により得られた効果

 山から消費者へ…商品が届くまでの間のサプライチェーンを一貫した流れで繋ぐことが出来る小さいながらも、全国的な横のつながりを結ぶ実験的な取り組みとなるモデルを生み出すことができた。
 事業申請時は14の事業者、NPO等の協議会であったが、商品発表会でのコミュニケーションやSNS等の情報発信を通じて、協議会への参画を希望する事業者が令和2年の事業終了時には28団体と増加したことは一番の成果だったと考える。
 また本事業で構築することが出来た協議会の指針となる安全基準や取扱説明書に記載すべき免責事項の整理、そして製品を販売していくツールとしてのECサイト機能が構築できたことは令和2年度からの本格的な販売開始にむけての大きな弾みとなった。
 

今後の課題と次年度以降の計画

 今回の助成事業で、試験的ながら新しいモデルが生み出されたが、このモデルが実際に稼働していくまでには、数々のハードルを乗り越える必要があると考える。またプロモーションに大きな経費をかけることが困難なため、販売開始と共に販売数が激増することは想定できないが、コイヤ製品のコンセプトを根気強く広めていくことで、時間をかけながら、ファン=共創者を増やしていくことに心掛けたい。
上記を踏まえ、次年度以降の動きとして

  • ① コイヤ協議会の参加事業者の更なる拡大
  • ② コイヤのモデルを広く伝えるためのツール(書籍や動画等)の開発

 令和元年度の事業の実施により構築できた協議会のビジネスモデルの基盤をベースに、国産材の付加価値をより一層高めるための広報戦略を練り、効果の高いプロモーション活動を展開していきたいと考える。