住宅 関東甲信越

平成27年度 木づかい協力業者による木材利用の促進事業

SIP下野いい家プロジェクト協議会

実施概要

1) 地域に根ざした木造住宅・木材利用の提案・普及活動
・とちぎ材・国産材の需要を拡大していくためには、大手住宅メーカーと差別化を図り、地元の木材をふんだんに使った家作りを積極的にPRし、外材から国産材への仕様転換・樹種転換を推進することが重要と考え、事業実施内容を検討した
・当会を構成する地域に根ざした地域工務店や住宅資材流通会社等、エンドユーザーに近い立場である川下からのアプローチによる、川中・川上と連携した「やっぱり地元の仲間が一番」活動を展開し、地域材の普及推進を図る。
・活動は、①とちぎ材をふんだんに活用した“地元の家づくり”普及展示活動、②地元の仲間PRパンフレットの作成、③“地元の仲間が一番”グッズの作成、を主体とした、創意・工夫した取組とした。
 
2) 地域循環型社会形成の認知活動
・地域循環型社会を構築するためには、国産材の最大の課題となる「安定供給」を実現することが重要といえる。そのため、本活動については、川下の需要が川中・川上へ伝達される“国産材の安定的な需要と供給を考える”活動に発展させることを将来目標に、スタートとして草の根的な普及活動に取り組むこととした□□・具体的には、川上~川中~川下各分野に関連する現場を訪問し、国産材利用促進と安定供給につながる「木づかい」意識の向上を目指した。
・今回は、たかはら地区の伐採現場、八溝地区の製材工場、県林業センターを視察し、国産材丸太がどのように伐採・搬出されているか、国産材丸太がどのように製材・乾燥され出荷されているか、国産材製品の強度等科学的性能はどのように証明されているのか、参加者自身の目で確かめてもらう貴重な機会を設けることが出来た。
 
3) 展示会出展によるとちぎ材の宣伝活動
・とちぎ材で製作したキットハウス(実大躯体)、県内の企業ブランド製品の展示など、とちぎ材を主役にした展示物を、益子焼きや大谷石など栃木県内の地域特産品とコラボレーションしながら展示し、オールとちぎの家づくりの魅力をPRする取り組みとした
・人工乾燥材出荷全国No.1を誇る高品質なとちぎのスギ・ヒノキ材のうち、市場に流通している「一般流通材」を用いてキットハウスを製作。とちぎ材の匂いや肌触りを楽しんでもらうため、二階ロフト部分も含め内部は完全開放し、実際に使用してもらいながらとちぎ材の良さに触れてもらうことを目指した
・全面がとちぎのスギ・ヒノキで出来ていることから、スギ・ヒノキ固有の澄んだにおいが香る内部では、展示会期中子供を中心に人の出が絶えない状況となった
・特に子供たちは、秘密の隠れ家のような2階部分から降りたがらず、とちぎ材で作った積み木やままごとセットを使って長時間木に親しみ遊んでいた。木の遊具で遊ぶ子供たちの笑顔は、将来「木づかいユーザー」として成長し、地元の木で家を作る文化を継承する人として育ってくれるのでは、と期待したくなる様子が感じられた
・キットハウスを購買したくなるような直接的な消費者となるいわゆる大人世代においても、実際の販売単価や施工上の注意点などに興味を示す例が多く、地域材を使ったキットハウスの商品化に向けて手応えを得られる展示会となった

 

得られた効果

・大手住宅メーカーと差別化を図り、地元の木材をふんだんに使った家作りを積極的にPRし、外材から国産材への仕様転換・樹種転換を推進することが重要と考え、仕様転換を進めようとする地域工務店・地域ビルダーの掘り起こしにより、とちぎ材・国産材の利用拡大促進を図ることが出来た。
・「やっぱり地元の仲間が一番」活動を展開・普及することで、すぐに木材需要に結びつかないものの、将来的な需要が見込まれるエンドユーザーの持つ潜在的な木材需要の掘り起こしを図ることが出来た・山林見学会、製材所見学会、栃木県林業センターでの破壊実験見学、植樹実体験等を実施することで、川上・川中・川下の一連の流れを学び、それぞれの重要性を認知するとともに、特にエンドユーザーにおいては、地域循環型社会形成の重要性を知っていただくことで将来的な地域材での家づくり普及推進につながったものと考えられる。
・東京で開催される住まいの耐震博覧会に、とちぎ材の躯体を出展したことで、首都圏におけるとちぎ材を使った住宅建築の需要取り込みが期待される。また、2020年東京オリンピック、パラリンピックに向けたとちぎ材の利用拡大も期待できる。
・木育女性グループにも参加いただくことで、子供たちだけではなく、障害者や高齢者たちにも広がる木と人とのつながり、日本古来の木の文化の継承を行うことで、将来にわたってとちぎ材を利用した住宅づくりを広げるきっかけ作りが出来たものと考えられる
 

今後の課題と次年度以降の計画

・今後、異業種連携が進んだ体制を維持しながら、とちぎ材・国産材利用拡大に資する前向き・積極的な取組を継続していくためにも、関係団体や行政との連携を前提とした、PR活動に必要な予算の確保や、既成概念にとらわれない販路拡大・需要拡大活動が必要になると考えられる。
・本事業で様々な取り組みを展開したが、今回の取り組みが一過性のものとならないように、国産材普及に資する継続的な取り組みについてSIPをあげて引き続き検討・実践していくように検討を重ねて参りたい。
 

記録写真

21世紀の森ダンスフェスティバル
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