一般社団法人香川県木材協会

平成27年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業

一般社団法人香川県木材協会

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実施概要

実施団体の説明
 香川県森林組合連合会・香川県建築士会・香川県建築士事務所協会・香川県総合建設センター・香川県木材協会(5団体)の構成メンバーの協力のもと、事業実施の事務局は香川県木材協会が担当。
 
事業の目的
  青い国、四国讃岐の山々ですくすくと育まれた県産ヒノキ材の有効活用を図るため、県産ヒノキを使用した木造住宅の展示会、エンドユーザー向けのセミナーの開催、低層非住宅の建築に向けて、木造建物の事例集の作成、木材に関心を持っていただけるポスターの配布、建築士・工務店・木材関係者等への木造建築物設計の研修会、更には建築士・工務店等の関係者向けに、かがわのヒノキショールームを開設した。
また、協会HPにかがわのヒノキをPRするとともに、県内で加工・販売可能なヒノキ材の単価表を掲載して、関係者等に便宜を図って、県産ヒノキの需要拡大を図る礎とする。
 
事業内容、事業結果
① 展示会・消費者セミナーの開催
あ 展示会
平成28年7月31日(日)~8月1日(月)9時~16時30分
高松市円座町 佐藤邸 香川県産ヒノキ使用の新築住宅見学会
2日間で80組(エンドユーザー54組、建築関係26組)
展示会の周知に、7月30日付け四国新聞・リビングたかまつの紙面に周知掲載
い 消費者セミナーの開催
平成28年10月8日(土)
高松市林町 サンメッセ香川 小展示場
聴衆は親・子供含めて 72人
 
② 住宅木材製品の設計者等への研修
あ 研修会
平成28年10月28日(金)
高松市国分寺町 香川県青年センター会議室
木造建築及びリフォームの見積書作成講習会
講 師 3人
参加者 54人(建築士・工務店・ヒノキ材取扱業者 木材関係者)
 
③ 木材流通の合理化・工法住宅資材の開発等の取組
あ 県産住宅のブランド化
工務店等が県産木材を使用して住宅を建てていただくために、6月に香川県産ヒノキ使用の建築会社・工務店・大工等の登録募集を行ったところ、84社の登録希望があった。
登録された業者には、「かがわ県産ひのきの家」の「のぼり」を2本提供して、新築住宅の現場で「のぼり」を立てていただき、県産木材のPRをお願いした。
10月8(土)~9日(日)に開催された2016ウッディフェスティバル会場内で、登録された10業者がブースを設けて、木造住宅のPRに務めた。
各ブースにより、相談に来た人数は異なるが、3組~11組であった。
併せて、会場内で県産ヒノキの丸太、住宅資材、新工法「重ね梁」を展示した。
い 木材流通の合理化及び工法・住宅資材開発の取組
県産木材を住宅に使いたいが、どこで売っているのか、どんな種類の製品があるのか、単価はいくらぐらいするのかと、建ててくれる業者は、というエンドユーザーからの質問・疑問等に答えるため、かがわヒノキ全般に関する情報を満載したHPを新規に開設するともに、高松市郷東町に「かがわのヒノキショールーム」を開設した。
ショールーム内では、県産木材で販売可能な住宅資材を展示して、実物を見て、触っていただき、注文に応じる体制を整え、住宅に県産木材の利活用に務めた。
県内で新しい住宅工法として、比較的商品価値の低い、大径木を活用した「重ね梁」を活用したモデルルームと「重ね梁」の現物を展示して、普及・ 啓蒙に努めた。
 
④ 低層非住宅建築物の木造化のための情報連絡・PR活動
県内では、住宅以外に木造で建てられた建物・施設は少ないため、最近建てられた建物・内装に木材をふんだんに使われている建物を紹介して、木材の良さを再認識していただき利活用に繋げるために「香川県産木材建築物事例集」を700部作成して、県・市町・建築士協会・工務店・木材業者等173箇所へ配布した。
また,「ひとときのやすらぎ」と題した木材利活用の普及・啓蒙ポスター500部を作成して、県内の行政関係等へ34箇所、木材関係者へ99箇所配布。
 

事業実施により得られた効果

①  四国新聞・リビングたかまつの紙上に県産木材で建てられた住宅の展示案内広告を掲載したところ、真夏の暑い日にも関わらず、2日間で80組の来場者があった。関係者の話としてこの数字は、住宅の内覧会としては高い数字であるとのことである。
   県産木材を使った住宅への関心が高いことが伺えた。
見学に訪れたエンドユーザーは異口同音に、こんな家に住んでみたいとの声が聞かれた。木造住宅の良さ・素晴らしさを体感していただき家を建てるときは木造に限るとの理解が得られたと思う。
香川県在住の落語家、桂こけしさんは、県内のTV・ラジオ等で活躍していらっしゃる有名人である。またRNC・FM香川のスポットCMを流したためか、多くの方々が来場して、こけしさんがユ―モアたっぷりに、子供さんにも良くわかるような「木に」関する小話や、3人の方々の「木材に親しむ」セミナーは、いつまでも心に残り、将来「木材」フアンになる事が期待される。大人の方々には。木の良さが再認識される呼び水になったと思われる。
 
②  林産県でない本県では、木造住宅を専門に設計をする建築士は少ない。
 今回、建築士協会にお願いをして開催された、木造建築及びリフォームの見積書作成講習会には、建築士協会・建築士事務所協会・工務店・県産ひのき取り扱い工務店・木材協会会員等予想外に多くの方々が参加していただいた。
この研修で、即木造住宅の建築が進むとは考えられないが、今後エンドユーザー等からの問合せにより、木造住宅建築への動機付につながり、今後の効果が期待される。
 
③ 県産木材を使用して住宅を建てる業者の登録募集に、当初想定していた業者数より多くの業者に登録をしていただいた。今後は木造住宅やリフォームに県産木材が使用される可能性が高まった。ブランド化は着々進んでいる。
建築士・工務店等住宅関連業者向けに開設した「かがわヒノキのショールーム」では、県内で供給・販売可能な製品の展示を行うともに、ストックヤードの機能も持たせて、販売できる体制を整えた。
 
また、ショールーム内に、県内で新工法「重ね梁」の現物展示と一部「重ね梁」を使って建てた「さざなみルーム」を展示しているので、工務店関係者には、わかりやすく、このような施設は初めてであるので関心が髙かかった。
 エンドユーザーをつれて見学をしたいという工務店の声も聞かれた。
 
④ 今後、住宅以外に木材の需要拡大を進めていくためには、住宅分野以外の建物に木材の利活用が喫緊の課題であるため、住宅以外の色々な建物に積極的に使っていただきたいとの願いで、県内の県産木材建築物実例集を作成して、関係機関等に配布した。2~3年で効果が表れるとは考えられないが、これから建物をと考えている方々の参考になり、木材の利用促進に繋がることを期待したい。
 「ひとときのやすらぎ」のポスターは、多くの方々に見ていただき、環境に優しい木材への関心が深まれば、徐々に需要拡大に結び付く効果が期待される。
 

今後の課題と次年度以降の計画 

① ヒノキの香りが漂う住宅を見学することは、住宅を建てたい方々には木材の良さ・素晴らしさを体験していただく絶好の機会である。
このような、見学会を次年度も開催したいが、見学会に協力をしていただける県産木材で建てられた施主・工務店の全面的な協力なしでは難しい。
かがわ県産ヒノキ商品取り扱い認定店との連携を密にするとともに構成団体とも情報を共有して、住宅見学会を実施したい。
また、子供のころから木に親しんでいただき、将来は「木」に関心をもっていただけるフアンを育成するため、わかりやすいトークショーとか親子木工教室・木の玩具で遊ぶ木育等を、2017ウッディフェスティバルで実施する。
開催に向けてのネックは、経費をいかに調達するかが大きな課題である。
 
② 「木材」をメインとした、今回建築士・工務店・木材業者向けに開催された講習会は初めてとのことであり参加者は、このような研修会・講習会は1回限りで終わるのではなく,再々開催してほしい旨の要望があった。
それぞれの団体が会員を対象に、テーマをもって研修・講習会を開いているが今後は各団体の連携を基に、共通テーマを決めて枠を超えた形で研修会・講習会を開催する。「木材」を広く利用していただくためには、建築士・工務店等が木材の知識と理解が必要である。各団体とも財政的には厳しいが前向に研修会・講習会に取組む。
 
③ かがわ県産ヒノキ商品取り扱い登録店には、84社が登録していただいた。
建築現場で、「かがわ県産ヒノキの家」の「のぼり」を見たエンドユーザーは、県産ひのきの「良さ」を認識して住宅建設に弾みがつくと思われので、新規認定を再度募集して全体で100社位を目標とする。住宅関連業者向けに整備した「かがわヒノキのショールーム」の活用が大きな課題である。
香川県木材協会のHPを新しく立ち上げて、多くの住宅関係者やエンドユーザーに、ルーム開設を発信しているが、今後エンドユーザー向けにイベントを企画して来場者の増加に繋げたい。
プロの建築士・工務店等向けにはショールームとストックヤードの両機能をうまく活用して。商品の入れ替えや・資材の充実に努めて、新築住宅を建てたいエンドユーザーを伴って来場を即すよう、関係者一同叡智を絞り需要拡大に取り組む。
 
④ 今回作成した「かがわ県産木材建築物事例集」を作成して、関係者に配布したが、29年度にはこの冊子を活用して香川県中小企業団体中央会加盟の異業種の組合に働きかけて、新しく社屋等の建設・改築を計画されている会社等の情報をいただき木造化や内装に木材を使っていただくよう働きかけて、住宅以外の分野の木材利用推進に取り組む
 

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