顔の見える家づくり推進協議会

平成28年度 工務店等と林業・木材加工業の連携による住宅づくり等への支援事業

顔の見える家づくり推進協議会

実施概要

 ・協議会を平成28年6月27日、11月30日、平成29年1月27日の3回開催し、事業の進め方や進捗状況等についての協議を行った。
第1回協議会 第2回協議会
第3回協議会  
 
 
 ・伐採現場・住宅現場を見に来ませんかツアーでは、参加して頂く工務店等6団体に  7月から10回を超える協議を行った。当初の計画では、秋頃を目途に2回ほど実施することを計画していたが、協議に時間がかかったこと等により、実施時期が2月の1回となった。最終的にタマホーム(株)に協力をいただき、これから家を建てる顧客等を募集して、大型バス1台に乗る人員を募った。当初は40名を超える方が参加を希望していただいたが、最終的には33名の参加となった。2月11日から12日の1泊2日により実施した。当日は大雪であり寒さ等が心配であったが、参加した子供達は喜んで、植樹体験等に取り組んだ。最初は、日田ウッドコンビナートの原木市場で木材が山から搬出され、市場に集められて製材所に届くこと等を説明した。続いて伐採現場を見学し、森林が二酸化炭素を貯留することなど、森林の働きを説明し、50年生のスギ2本を伐採、枝払い、玉切り作業を見学してもらった。初めて見る伐採作業等作業員の技術の高さに感心していた。次に山桜、スギ、ヒノキの植樹体験をしてもらった。雪のため、スタッフでデモンストレーションをと考えたが、参加者が是非なりたいとのことで、みなさんに参加していただいた。初めて植える方が大部分で、植栽の方法など勉強になったようである。次に製材工場で製材の状況、木材の乾燥、製品を見学した。皆さん初めての経験であり、丸太から製品になり、家が建てられることを学んだ。最後に古い木造建物を見学して、1日を終えた。2日目は日田杉資料館の見学や木造住宅のお話の講義をした。講義はわかりやすく、参考になった、もっと早くこんな話が聞けたら家づくりの参考になった等好評であった。
伐採現場 伐採現場2
植栽 伐った年輪
製材風景 製品の説明
製品 資料館
木造住宅のお話  木造住宅のお話

   ・耐震性に優れた日田スギの家の考案では、建築士会日田支部に参加している建築士     の協力をいただき、スギを使った耐震性に優れ、自由な間取りが出来る家を基本に設計をしてもらうこととした。夫婦と子供2名の4人暮らしと、熟年夫婦2人暮らしを想定し、2階建てと平屋建ての2案を作成してもらった。
  平成28年8月1日から始め、平成29年2月8日に成果品の提出を受けた。この  間、大分大学名誉教授の井上先生や東京大学名誉教授の安藤先生のアドバイスをいただいた。井上先生には講演をいただき、勉強する機会も作っていただいた。
 
勉強会  勉強会
作業部会開催状況  
 

 ・建築物の事例集の作成では、田島山業が作成を担当した。田島山業は産直住宅の取り組みや、都市住民を田島山業がある、大分県中津江村に来てもらい、森林体験等を行っている。今回、日田市林業6次化事例集として、日田の代表的なスギ品種である「ヤブクグリの家」や椅子等の家具、「団らん処 和菜屋」の写真を掲載した冊子を作成した。
 
事例集表紙  現地撮影
玩具の撮影 現地撮影場所の確認
 

事業実施により得られた効果

 ・伐採現場・住宅現場を見に来ませんかツアーでは、滅多に見ることの出来ない現地  を見学し、森林や木材に対する理解を深めてもらうことが出来た。森林が地球温暖 化の防止等公益的機能があることが肌で感じてもらえた。また、植栽の方法や樹種などについても、知ってもらえた。製材工場の見学では、丸太が柱になる様子を見て、製品を身近に感じてもらえた。また、製品が家として役に立ち、その数十年後にはそれが原料となり、燃やされて乾燥の熱源になることや、電気を作るのに役立つことなど、見学して理解してもらった。また、講演では、木造住宅も規定を遵守して適正に建築が行われたら、地震に弱くないことも理解していただいた。このツアーを通じて森林や木材のファンをつくる事が出来た。

   ・耐震性に優れた日田スギの家では、目的とする設計図を作成することが出来た。

   ・事例集の作成では、品質の高い事例集を作成することが出来た。
 

今後の課題と次年度以降の計画

 ・森林ツアーでは、林業や木材産業を主体とした、産業観光を具現化するため行政が  協議会を立ち上げている。この協議会の一員として顔の見える家づくり推進協議会  も参加しており、今後、取り組みを進める。受け入れるための体制づくりや備品の整備(説明用無線機等)が課題であるが、木材の町である日田を訪れる人を増やし、木材のファンの拡大に努める。

 ・耐震性に優れた日田スギの家では、設計図が出来上がったので、これを普及するため、新聞などマスコミを通じ、また、新聞広告を入れるなど、周知徹底を図る。また、行政や建築士会等の力を借りて、モデル住宅が建設できるよう取り組んで行く。

 ・事例集を有効に活用するため、イベント等を開催し、木造建築物等が普及するよう取り組みを進める。