茨城県産材普及促進協議会

平成28年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業

茨城県産材普及促進協議会

実施概要

実施団体の説明 : 茨城県産材普及促進協議会

茨城県産材普及促進協議会は、木材に関わる団体及び個人が川上から川下まで連携し、活動をいたしております。会員である、素材生産、製材・加工、流通、大工・工務店、建築家が価値を共有し、情報交換をしながら、茨城県産材及び地域材の普及促進のため、実効的かつ多様な活動を行っております。

事業の目的 : 茨城県産材の未来創造事業 2017

「茨城県産材の未来を拓く」ために、客観的な視点から現状の課題を探り、県産材の価値向上、持続的利用の継続・拡大、販路開拓に向けた取り組みを行った。

事業内容
1、中大規模建築物の木造化促進事業
(1)円滑化体制の構築
  1. ①「いばらき優良木材証明制度」実施
    「いばらき優良木材証明制度の手引き」作成・周知 【写真1】≪成果物1-1≫
  2. ②県産材の価格表・区分・規格別納期・価格の公表 ≪成果物1-2≫
    • いばらき優良木材(品質証明材)価格表
    • いばらき産地証明木材(無等級)価格表
    • いばらき優良木材、いばらき産地証明材の規格別納期
    • 企画流通材・規格注文材、特注材の規格、納期
(2)普及・啓発
  1. ①茨城県産材中大規模木造建築物促進協議会 全体会、円滑化チーム会議実施【写真2】≪成果物1-3≫
  2. ②市町村等行政機関 営繕主務者講習会 実施 【写真3】≪成果物1-4≫
  3. ③木造保育園の見学会 行政向け及び民間幼・保育園向け 実施 【写真4,5】
     チラシ、テキスト、杉・桧サンプル等、 【写真6,7,8】≪成果物1-5≫
  4. ④市町村等行政機関へ茨城型木造建築コーディネーター制度利用提案≪成果物1-6≫
  5. ⑤茨城県子ども家庭課、私学振興室との連携
  6. ⑥保育・教育施設参考プラン集作成【写真9】≪成果物1-7≫
    長方形プラン、L型プラン 、ロの字型プラン
  • 写真1
  • 写真2
  • 写真3
  • 写真4
  • 写真5
  • 写真6
  • 写真7
  • 写真8
  • 写真9
2、新素材の調査検討事業
  1. (1)CLTと接着重ね梁の利用・製造の検討
  2. (2)利用提案 【写真10】≪成果物2-1,2-2、2-3≫
  3. (3)茨城BP協議会を発足
  4.  

写真10

3、木造住宅団地の提案事業
(1)実施計画の立案 
  1. ①里山を活かした住宅地の立案【写真11~14】≪成果物3-1≫
  2. ②事業実施計画の立案≪成果物3-2≫
  3. ③緑地管理計画の立案≪成果物3-3≫
(2)プレゼンテーション
  1. ①本計画のプレゼンテーション用パワーポイント資料の作成。【写真15】≪成果物3-4≫
  2. ②茨城県、つくば市への提案
  • 写真11
  • 写真12
  • 写真13
  • 写真14
  • 写真15

事業実施により得られた効果

1、中大規模建築物の木造化促進事業
(1)円滑化体制の構築
  1. ①「いばらき優良木材」の定義がなされ、その価格基準も公表したので、公共建築物に利用される木材の基準ができた。これにより、発注者は安心して予算組みや構造設計ができるようになり、公共建築物に取り組む際の不安の一部を解消することができた。
  2. ②木造化になれない建設会社や設計事務所から、RCに変更要望が出たり、高額の見積もりが出るなどの問題が続き「木造化すると高くなる」という風評が出たが、基準価格を示すことで、これらを防ぐことが出来ると思われる。
  3. ③品質証明材と無等級材の規定、材寸による規格化と納期の提示によって、発注者、設計者、施工会社の積算、スケジュール組みが明確化した。
(2)普及・啓発
  1. ①中大規模建築物木造化推進協議会の全体会を開催し、平成28年度の成果とH29年度の課題、実施項目が話し合われたことにより、官民及び川上から川下までの関係者に、共通の課題認識が生まれた。茨城型木造建築コーディネーター制度の運営、中大規模建築物木造化マニュアルの改訂、新素材に対する方針などが決められた。また円滑化チーム会議では、官民それぞれの立場から価格表の作成方法、利用方法が話し合われ方針が決定した。他構造体との価格比較の必要性が話し合われ、営繕課が価格の比較に取り組むことになり、一般社団法人木を活かす建築推進協議会「木造公共建築物誘導経費支援事業」の受託につながった。
  2. ②昨年に続き市町村等行政機関に 、木造化の意義や各支援制度の周知を図れた。特に茨城型木造建築コーディネーター制度に何を期待するか、市町村と話し合いが出来たことは、制度構築に資するものとなった。
  3. ③昨年度事業で検証したわかばキラメキ保育園様の協力によって、県内市町村向け、私立幼保育園を対象に木造保育園の見学会を行い、木造化の価値を伝えることが出来た。また当日はたくさんの質問や相談が寄せられ、発注者側からの問題提起もあり、今後の推進計画に資するものとなった。
  4. ④公立 、私立幼・保育園を指導する茨城県の子ども家庭課、私学振興室に、木造化の メリットや環境への貢献などをご説明し、評価いただいた。県内全ての公立、私立幼・保育園に直接通知して頂いた。幼保施設関係者の木造化への興味を喚起することが出来た。
  5. ⑥見学会の際、保育・教育施設参考プランを提案したことによって、木造化の具体的イメージや予算が伝わった。参加した保育園のうち1件の新築木造化計画が始まった。
2、新素材の調査検討事業
(1)製造についての方針

県内関係者に提案したところ、生産を開始できるところがなかった。

  1. ①CLTは、他県の製造拠点に県産材を供給し、製造してもらい利用する。
  2. ②接着重ね材は、生産工場を誘致する。
    誘致条件は、製材は行わず、材料調達は県内工場からとする。
(2)利用提案
昨年度事業でmoridea計画を提案した守谷市に対し、CLTとBP材利用による活用計画を再提案し、評価を得た。
(3)茨城BP協議会発足
接着重ね材は、茨城県内業者が生産している材料を活かすことが出来ることから、茨城県産材推進協議会と連携し、茨城BP協議会を発足し、工場誘致を進めることとした。
CLTに関しては、引き続き当協議会で推進を図る。
3、木造住宅団地の提案事業
(1)実施計画の立案
  1. ①茨城のポテンシャルを活かした、これまでにない住宅地計画が策定出来たと考えている。
  2. ②建売分譲による住宅博にすることで、中小工務店が参加しやすい計画が出来た。県産材利用を参加条件とすることで、県産材への理解、利用拡大に資するものになる見込みである。
(2)プレゼンテーション
  1. ①最新の計画と会計士の指導を受けた事業計画を策定して、不動産会社に提案することが出来たため、参加が得られ計画区画を取得することが出来た。
  2. ②つくば市、茨城県へのプレゼンテーションによって、行政も参加する実行委員会の検討が進んでいる。

今後の課題と次年度以降の計画

1.中大規模建築物の木造化促進事業
【課題】
  1. ①茨城型木造建築コーディネーター制度の具体的支援内容の策定と財源確保
  2. ②安定供給体制整備に向けた茨城県産材推進協議会との連携
  3. ③行政や設計事務所から、いばらき優良木材(品質証明材)・いばらき産地証明木材(無等級)価格表が、専門的でわかりにくいという指摘。種別や用語、寸法等説明書が必要。
  4. ④他構造体との価格と価値の比較、提示
  5. ⑤中大規模建築物木造化推進マニュアル検証と改訂
  6. ⑥県、市町村教育委員会との連携
  7. ⑦民間建築物への木造化提案
  8. ⑧中大規模建築物用スパン表の策定
  9. ⑨設計者に対する木材知識の提供
【計画】
  1. ①茨城型木造建築コーディネーター制度の具体的支援内容の策定と運用
  2. ②茨城県産材推進協議会と茨城型木造建築コーディネーター制度との連携制度構築
  3. ③いばらき優良木材(品質証明材)・いばらき産地証明木材(無等級)価格表の説明書作成
  4. ④中大規模建築物木造化推進マニュアル検証と改訂
2.新素材の調査検討事業
【課題】
  1. ①CLT、BP材に対する知識の不足。
  2. ②材料価格が不明確。
  3. ③県産材による新素材製造に対応するには、乾燥精度が未達、また乾燥機不足。
【計画】

Moridea計画の実現に向け、設計、事業計画、供給計画を策定する。

3.木造住宅団地の提案事業
【課題】
  1. ①緑化された共有地の維持管理計画。
  2. ②販売促進・価値の周知に係る資金力及び知識の乏しさ。発信力の弱さ。
【計画】
  1. ①「里山住宅博inつくば」計画発表と参加工務店募集
  2. ②産学官連携による里山住宅博実行委員会発足