株式会社古川ちいきの総合研究所

令和2年度 顔の見える木材での快適空間づくり事業

株式会社古川ちいきの総合研究所

事務局所在:大阪府

実施概要

事業計画

実施概要

実施団体の説明
林業・国産材を起点に経営支援・地域づくり事業を実践する㈱古川ちいきの総合研究所。
代表の古川は地域づくりインターンで訪問してから20年来、川上村と林業に向き合ってきた。今回、川上村と大阪の川上~川下を主軸とした精鋭メンバーで顔の見えるチームを結成し、空間セット製品の考案と普及広報に取り組む。
プロジェクトメンバー
  • 【伐採士】中平林業㈱
  • 【製材】㈱岡仁
  • 【建築】KTcraft
  • 【木工】一成刻、工房アップルジャック、Moon Rounds、studio Jig、En lada
  • 【デザイン・設計】若手住設デザイナー、未木設計舎
  • 【事務局・コーディネート】㈱古川ちいきの総合研究所
協力連携
  • 【金具メーカー】全国展開企業
  • 【不動産】大阪市内不動産業者
 
事業の目的
川上産吉野材の空間セット製品を考案し、需要創出と木材の高付加価値化を目指す。
 
事業内容・結果(事業項目ごとに具体的に記載)
①内装プロデュースセット考案
新進気鋭の若手住設デザイナー・設計士とともに、内装セットを考案。
【3スタイルの製品展開】



考案した内装セット空間のうち「Japandi」スタイルを試作

<空間イメージ>

新規開発「吉野杉シェルフ(仮称)」


<空間完成@川上村「匠の聚」>

【無垢材×DIY考案】

②WEBサイト制作





③動画配信
【アーティスト(木工家・製材)動画】6本
【オンラインツアー動画】7本                 合計13本

④ブランドブック制作

⑤協議会開催
【第1回】令和2年8月8日(土)「プロジェクト説明とスケジュール、考案実現体制について」
【第2回】令和3年1月22日(金) 「プロジェクト報告/空間試作最終調整/今後の方向性 他」
 

事業実施により得られた効果

  • ①さらなる高付加価値製品の可能性
    「内装セット製品」として商品化の道を開拓。展開製品のイメージを明確化。
  • ②空間試作本格化により、パブリックスペース展示からのさらなる広報
    当初簡易設置の予定であったところ、川上村営アーティストレジデンス「匠の聚」内に設置許可が出たことで、施工を本格化、年度末まで展示できることとなった。
  • ③川上産吉野材の高付加価値需要の創出
    空間試作をする中で「吉野杉シェルフ(仮称)」を新規開発。高林齢の良材、目の細かい赤身無節の柾目だからこその実現したディテールと機能性デザイン性の高さ。高付加価値かつ汎用性も高い。
  • ④次世代マーケティング実践の基礎
    オンライン・オフライン広報媒体を活用し、「木材」「木工品」という単一面と「林業」「木材」=川上~川下の視点に「空間」「人」「技」も加えた総合的な情報発信。「消費の3要素=必要性・欲求性・物語性」+総合的広報戦略による「想い(=ファン)」をつくりだす次世代マーケティング実践の土台ができた。
  • ⑤特A材の無垢材×DIYによる空間の意匠化向上の実証
    DIY金具に川上産吉野材の無垢材に組み合わせるだけで意匠性の高い空間になることを実証。DIY×特A材による空間上質化の可能性を創出。
  • ⑥村内の川上~川下メンバーの「顔の見える」チーム化
    村内で個別に交流はあったが一同に介することは稀であったメンバーが、村外(大阪)メンバーも含め「顔の見える」チームになった。今後も活動を継続していく。
 

今後の課題と次年度以降の計画

  • ①配信動画のブラッシュアップとPR
    配信動画に再度編集を加えてブラッシュアップ、SNS等で広報フォローアップをしていく。
  • ②セット商品の施工納品体制構築と価格設定
    施工納品手間の分析、施工体制構築、セット商品の価格設定を進める。
  • ③販売体制構築
    施工体制と併せ、受注/アフターフォロー体制の構築。
  • ④無垢材×DIY×林業ツアーの提案
    高付加価値製品にさらに体験を付加した「無垢材×DIYワークショップ付き川上村ツアー」の検討。エンドユーザーに加え、企業等に対してもSDGs活動の一環として提案していく。
  • ⑤空間セットの常設展示
    「匠の聚」での年度末までの展示を基盤に、川上村内での常設展示を目指して取り組む。
  • ⑥メンバーおよび代表的ユーザーによるSNSでの発信
    販売本格開始後、「聖」メンバーおよび代表的ユーザーが製品の発信をしていく。
  • ⑦不動産業者への普及広報
    メンバーである不動産業者のネットワークを起点に、不動産業者に対し不動産価値・成約率アップの可能性として空間セットを提案していく。
  • ⑧顔が見えるトレーサビリティの付加価値強化
    川上村の中で、伐採場所(産地)・所有者・山守&山行(育林・伐採)等、確実に一つ一つの経路が見える木材からの、家具製作&建築をするというトレーサビリティを、信頼だけではなく物語としても付加価値化することのさらなる強化。今までトレーサビリティに名前の上がってこなかった[YoshinoHijiri聖]の姿と声までもしっかり伝えてストーリーとして進化/深化させ、川上産吉野材の高付加価値化から、ひいてはこれまで真摯に林業に取り組んできた人々とA材として育てられた健全な山と木が報われるように、林業自体の価値を復活させていく。