協同組合福岡・大川家具工業会

令和2年度 顔の見える木材での快適空間づくり事業

協同組合福岡・大川家具工業会

実施概要

事業計画

実施概要

実施団体の説明
実施団体である、協同組合福岡・大川家具工業会は、組合員数131社を有する家具を製造するメーカーで組織する協同組合です。
当工業会では、その内部組織の地域材開発部会(20社)を中心に、「国産材家具」という新たなカテゴリーを確立し、「家具作りは森づくり」「森を育てる家具」をコンセプトに、これまでの木を消費するだけの産業から、センダンの植樹を通じて、素材循環型家具産業の構築を目指します。
 
事業の目的
センダン材を活用した試作品の開発
2017年からスタートしたセンダン材での試作品の開発では、地域の森に自生するセンダンを自伐林家の方々の力をお借りして伐採し、家具材に仕立てたもので製作しています。
同時に、センダン材の供給体制の確立を目指し、森林組合さんや自治体、地域の森を所有されている方々の力をお借りして植樹を進めてきました。
センダンは植樹して15年から20年で胸高径40㎝程度まで成長する木で、比重も0.57程度と家具材として使うには非常に適度な硬さを有し、木目もはっきりして美しい材で、家具材としてだけではなく、内装材としての活用も十分見込まれ、植樹に興味を持たれる方々も年々増えています。
私たちの役目としては、15年、20年後に、現在植樹したセンダンが立派に育った時に、十分な出口を開拓することだと考えます。
今回の事業の目的としては、新たな試作品の製作で、そのアイテム数を増やし、消費者の皆様のご要望に応えることができる魅力的なラインアップをそろえることに加えて、センダン材で作った「国産材家具」の魅力を広く発信するために専用ホームページの開設を行いました。
 
スギ・ヒノキなどの国産材を活用した商品の提案
昨年スタートした「ふるさと家具」プロジェクト、今年も地域の森活性化プロジェクトとして地域の森林の木を家具産地「大川」で商品にしてお届けするための活動を行います。
コロナで世界が一変した状況下でも、人々の生活は続いていきます。
この状況を少しでも快適に過ごすための「つけたすシリーズ」は、福岡県那珂川市産の良質なヒノキをふんだんに活用して商品開発を行いました。
また、センダンの植樹活動や大川市長のトップセールスでお知り合いになることができた自治体の方々から、保育園や幼稚園など、子どもたちが触れる遊具や家具を地域の木材で作ってほしいという要望が増えてきていることを踏まえ、スギやヒノキでの新し遊びの提案を目指しました。
 
事業内容・結果(事業項目ごとに具体的に記載)
PRのための展示会出展
・大川家具F・F展(令和2年10月7日・8日、大川産業会館において)
令和2年度8月より開始した試作品の開発の中で、10月展に間に合った商品が2点のみだったため、昨年度開発商品を含めて、センダン家具、ふるさと家具(国産材を活用した商品)のPRを行いました。

・大川家具新春展(令和3年1月7日・8日、大川の家、駐車場)
令和2年度施策を行ったセンダン家具、ふるさと家具の展示を行いました。
今回は、本会場に隣接する「大川の家」1階に「センダン材家具」を、その駐車場に駐車した10tトレーラの荷台を展示場にしつらえて、また駐車場内にも「ふるさと家具」の展示を行いました。
 
PRのためのホームページ作成
  • ・2018年より始めたセンダン材を活用し製作した家具と「素材循環型家具産業」への取組をPRするためにセンダン材家具のブランド名を「SENDAN」に、同時にPR用ホームページを立ち上げました。
    http://okawa-sendan.jp/
  • ・昨年より開始したスギ、ヒノキなどの地域材を活用した試作品の開発プロジェクト「ふるさと家具」の取組をPRするためにホームページを立ち上げました。
    http://furusatokagu.jp/
 
試作品の作成
「SENDAN」(センダン材家具)の提案
センダン突板を用いた民芸箪笥の提案

これまでは、楠やケヤキ、桐などの材が使われてきた民芸箪笥ですが、センダンの木目を生かした商品が出来上がりました。
 
 
センダンツールの提案

昨年度はセンダン材で食堂椅子を製作しましたが、今回はより強度を必要とする座面が編み上げのスツールを作成しました。
 
 
「ふるさと家具」の提案
1.「つけたす」シリーズ
【つけたす軽トラ】
動くものにツケタス家具として考えたのが小さくて、小回りも効く軽トラックです。
移動販売車として注目されるフードトラックやキッチンカーなどよりも低コストで軽トラに取り付けるだけで、小商いが実現できる組み立て式の移動店舗です。
飲食物だけでなく、八百屋、本屋、雑貨など様々な業態に合わせてカスタマイズするカスタムベースの組み立てキットを提案いたします。
 
 
【つけたすデスクチェアー】
どこでもリモートワークの提案です。
キャリーケースのようにコロコロと引っ張って持ち運びができるデスクとベンチが一体となった家具。
街の広場や公園、浜辺でも、移動してそこに置くだけで自分だけのデスクスペースが生まれます。屋外での使用を想定し、日除けとなるルーフをオプションで用意しています。いくつか並べることで、テラスのある飲食店や屋外型のコワーキングスペースなどに活用できます。
 

2.大川×あそび
子どもたちの新たなあそび提案です。
ももたろうの「もも」? 浦島太郎の「カメ」?

乗ってゆらゆら 音楽する打楽器シリーズ
 
リーフレットの作成
試作商品説明、PRのためのリーフレット作成(別途)
・「SENDAN」
・「ふるさと家具」
 

事業実施により得られた効果

センダン材活用プロジェクト「SENDAN」
2017年より始めたセンダン材を用いた家具の開発も今年で4年目を迎え、参加事業所も13社と増加、組合内の認知も広がってきおり、この事業に参加していない組合員事業所でも、センダン材を用いて製品づくりを行うところも出てきました。
センダンを使うだけではなく、育てることから始め、素材循環型家具産業の構築を目指すということで、センダンの植樹活動を通じて知り合えた自治体の中で、昨年12月には大川市と福岡県那珂川市との間で、那珂川市産材を活用し、大川市で木製品に加工、両自治体だけではなく、近隣自治体への供給を目指し、持続可能な森林サイクルを構築するという趣旨の協定を締結することもできました。
今年はコロナの影響もあり、成果発表の場が限定される状況で、いかにセンダン材に付加価値を付けた商品のPRを行えるかという課題がありましたが、その中でも福岡県東京事務所では、昨年12月からテーブルの常設展示を行っており、福岡県庁地下食堂のリニューアルに合わせて、センダンテーブル、イスの納入も決定しています。
また熊本県庁からもセンダンのダイニングセットの発注をいただくことができました。
センダンの魅力を理解していただいた会社様では、新設のショールームをセンダン商品のPRスポットとしての活用の提案をいただいている事例も出てきており、着実に出口戦略が実りつつあります。
 
地域の森活性化プロジェクト「ふるさと家具」
スギやヒノキ、未利用広葉樹など、地域の木材での商品開発を目指す「ふるさと家具」プロジェクトでは、今年も家具以外の商品開発を行いました。
このプロジェクトも「SENDAN」同様、発表の場が限定されてしまいましたが、昨年より保育園や幼稚園の皆様から、子どもたちのために木製遊具や棚などの備品のご相談が増えており、これまでの植樹活動や大川市を巻き込んだPR活動の成果が出てきているものと思われます。
今回の開発商品も、「大川×いろいろ」では新しい木製遊具の提案を行い、「つけたす」シリーズではモバイル手洗いや、昨年の「WATAI」の進化系「つけたす軽トラ」、リモートワークの空間の提案として「つけたす東屋」「つけたすデスク」を開発、自治体や企業への提案を行っていきます。

*今回、コロナの影響で発表の場が限定され、例年であれば多くのお客様にご来場いただくことができる「大川家具新春展」も、会期直前の緊急事態宣言発令によって、大都市圏からのお客様がいらっしゃることができず、前年比4割減という厳しい状況でしたが、今年は1月29日より、大川産業会館において「2021家具・内装建材展」という催しの開催が予定されており、この中に「SENDAN」「ふるさと家具」の展示を予定しています。
ターゲットとしては、建築材関係事業所、住宅関係者、建築士、設計士、インテリアコーディネーターなど、従来の家具、インテリア業界以外の方々の集客を目指しています。
この機会に、「大川家具新春展」へお越しいただけなかった自治体関係の皆様にもご案内し、センダンや地域の木材の新たな可能性をご覧いただきたいと考えています。
 

今後の課題と次年度以降の計画

センダン材活用促進に向けた活動については、これまでの森林組合や自治体だけではなく、バイオマス発電事業者、製紙会社などからもお問い合わせをいただくようになっており、官から民への広がりを見せてきています。
ここでは、より一層の経済性が重視されてくる面が浮き彫りとなっており、早生樹としてのセンダンの利用価値と材としての利用価値、両面からの提案が必要とされ、私たちには、より多くの出口の確保が求められてくるものと考えます。
現在植樹しているセンダンが伐期を迎えるまで、まだ15年程度の期間が必要で、それまでの間の自然木センダンの確保や、より一層の付加価値のある製品開発、広く一般消費者へのPRが必要となってくるものと考え、今年作成したホームページの活用やPRのための大都市圏で開催される展示会への出展、東京都が主催する「モクション」への参加など、積極的な活動を行っていく必要があると考えます。
また、「ふるさと家具」プロジェクトでは、昨年の那珂川市との協定締結をモデルケースとして、大川市を巻き込んだ「国産材家具産地大川」のPRを行っていき、今後予定される自治体の庁舎改築やリニューアル工事での内装備品受注を目指します。
民間事業所では、各展示会を通じたPRに加え、地方銀行などの協力を得ながらPRや商品の提案を行っていく予定です。

センダンの植樹活動においては、耕作放棄地などへの植樹の提案を行い、里山の再生を目指した植樹活動の推進を目指します。
一方で、現在伐期を迎えているスギやヒノキの活用についても並行して考えていく必要があり、昨年から「ふるさと家具」での提案で活用している那珂川市産のヒノキについては、非常に良質のヒノキということで、「那珂川ヒノキ」としてのブランド化のお手伝いを行い、国内のみならず家具などの製品や内装材などの高付加価値商品としての輸出も検討していくことができればと考えます。