レポート

木と住まいの大博覧会

2016年9月17・18日の2日間、マリンメッセ福岡にてナイス株式会社主催の「木と住まいの大博覧会」と「住まいの耐震博覧会」が同時開催されました。
林野庁と九州7県の自治体が後援する「木と住まいの大博覧会」では、最新の建築資材や工法、木造住宅や暮らしの提案など、木を多角的に紹介する展示に注目が集まりました。
地域材の素晴らしさを伝える「九州の家各県ブース」。新建材・CLTを採用した中大規模木造建築物を紹介する「木のポテンシャルゾーン」に、子供たちが木製遊具で木と触れ合える「木育コーナー」や森林浴しながらリラックスできる休憩コーナーと木から精製したアロマ体験コーナーなど木を“体感する”ゾーンが人気を博していました。
その他には、木の素材の良さを実感できる家具やインテリア、工芸品のコーナーと花やフルーツを販売するマルシェ(市場)も人が集まりました。また、「商品提案ゾーン」では、木材のプロバイヤーが用途やニーズに合わせて適した素材を提案してくれるとあり、気軽に相談される方が見られました。
「住まいの耐震博覧会」では住宅の耐震方法やエコ住宅など住宅に関する展示を行っていました。 両会場ともに大変なにぎわいを見せました。

宮崎県:宮崎県地域材利用促進協議会

宮崎県ブースは、宮崎県産のスギをPRするために、ブース全体をスギ材で装飾。 緑が映えるスギ玉やブース壁面にスギの輪切りを配置したブースデザインが讃えられ、ベストブース賞・金賞を受賞しました! 今回の出展には、県内16の製材所と4つの木工所が参加し、25年連続スギの出荷量“日本一”の言葉通りバラエティーに富んだ製品の数々を展示していました。 宮崎産のスギをもっと身近に感じてほしいとの願いから、ブース内には建築材を極力配置せず、生活に密着した工芸品がズラリと並びます。 「ぜひこの機会に手に取って県産木材の良さを知ってください!」と、アンケート回答者には杉の木の卵をプレゼントされました。



鹿児島県:鹿児島県木材協同組合連合会

ツーバイフォー工法で使用される部材やCLTの集成材を中心に、県産木材の質の高さを伝える鹿児島ブース。 参加メーカーの(株)さつまファインウッドは、外産材が席巻する中、国産材でツーバイフォー用材をつくり、安定供給できるシステムを構築することに成功しました。 この他にも県内で新しい取り組みを行っている企業を紹介しており、ブース内に設置された県産材でつくった学習机と椅子は、実際に県内の小学校で使われているそうです。 県産スギのフローリング材は、加工を加えることによって独特の質感や風合いを出しており、太宰府天満宮にも収められた逸品。 来場者はアンケートに答えると記念品として、ヤクスギでつくった箸がもらえます。



大分県:大分県木材協同組合連合会

ブース前のしいたけ試食コーナーが目を引いた大分県ブースでは、県産スギ「津江杉」を詳しく紹介していました。 株式会社トライ・ウッドが生産する津江杉は、材木ひとつひとつの情報をバーコードで管理し、一般的に行われている人工乾燥ではなく、輪掛け乾燥(完全自然乾燥)で含水率25%になるまで乾燥させます。 このこだわりが耐久性の高い上質なブランド木材を生みました。 また、池見林産工業株式会社が製作した桧のムクフローリング材、「桧舞台」にはリフォームを考える家族連れが訪れ、天然素材のフローリングで子供たちも安心して歩く姿が見られました。 スギの端材でつくった工芸品も人気で、弁当箱やハシ、コースター、パズルなどバラエティー豊かな製品を販売していました。



福岡県:福岡県地域木造住宅生産体制強化地域協議会

素敵な家具が並ぶ、ゆったりとした空間演出が魅力的な福岡県ブース。こちらは全国有数の家具産地、「大川」の家具をメインに洗練されたデザイン家具を展開していました。 集成材のCLTで製作したドアーにも注目が集まりました。 プロだけでなく、エンドユーザーであるファミリー層が多く詰めかけるこの盛況ぶりに県担当者は、「皆さんに、木目の美しさや木の温かさなど木の良さを知ってもらい、県産材をたくさん使っていただきたいですね。」と今後の抱負を語っていました。 その他、木材の良さをアピールできるモデル的な木造・木質化建築物を表彰する、県の建築賞の受賞建築物のパネル展示が行われていました。