レポート

ジャパンホームショー(ふるさと建材・家具見本市)

10月26〜28日の3日間、東京ビックサイトにて「第38回ジャパンホームショー」が開催。期間中、建築・設計、インテリア業界から約36,000人以上が来場されました。 集中展示の「ふるさと建材・家具見本市」では、国産材や地域材の紹介を中心に建材・インテリアなど様々な製品の展示を行っていました。

静岡県木材協同組合連合会

富士の稜線を思わせるデザインの静岡県ブースでは県や市、製材所などが集い、多彩な木材製品を展開していました。
県土の64%を占める森林を持つ静岡県は、その豊富な森林資源を背景に江戸時代から林業が盛んでした。今回紹介されているのは、県産のヒノキとスギを使った製品の数々。室内の雑音の吸収と響きの調整を施した木質調音パネルや木材とプラスティックを合わせた新材「KOMOREBI」など木材の二次加工品を数多く展示していました。木質化建築物の模型も展示されており、静岡県立草薙総合運動場に新設された体育館(このはなアリーナ)は、平成27年度木材利用優良施設コンクール・農林水産大臣賞を受賞しました。

長野県木材協同組合連合会

長野県ブースは、3つのブースに別れており、長野県産木材の紹介を中心に家具や壁紙、木製サッシなどを展示していました。
県産材はカラマツ・アカマツ・スギ・ヒノキの4種。これらを信州木材認証製品センターが設けた品質基準に照らし合わせ、審査に合格した県産材を「信州木材認証製品」と呼び、ブランド化しています。このブランド材を使った「信州型接着重ね梁」は国土交通省大臣認定を取得しました。その他、来場者の目を引いたのは、ヒノキの畳床。こちらは湿気の吸収に優れ、耐久性が高いことから天然素材でつくられた畳床に注目が集まりました。

富山の杉活用協議会

日本家屋が印象的な富山県ブースでは、ひみ里山杉を幅広く紹介していました。ひみ里山杉はスギの中でも成長が4番目に速く、虫害に強いため、その材の表面は美しいピンク色をしています。材質も脂気が強く、塩分を含むと強固になることから江戸時代には造船用材として使われていたそうです。ブース内で一際目立つ日本家屋は、組立キットとして販売が予定されていて、日本の伝統的な「貫工法」と「足固め工法」で耐震設計されているとのこと。訪れた業界関係者はその精巧な造りに関心を抱いていました。平成24年にブランド化を進め、不燃準不燃木材として県内の駅や大型施設に活用されているひみ里山杉。そのポテンシャルに注目が集まりました。

岡山県木材組合連合会

広々としたブースに木製のドアーと木材サンプルが整然と並べられた岡山県ブース。こちらでは“日本一のヒノキの国”をキャッチフレーズに県産のスギ・ヒノキでつくった製品を展示紹介していました。
ヒノキの生産量全国1位の岡山県。県北部に位置する美作市で生産されたヒノキ材は美作桧(みまさかひのき)と呼ばれ、ブランド材として全国に流通されています。美作市のお隣、津山市のヒノキのフローリング材や集成材も展示されており、参加メーカーの院庄林業株式会社は、高い加工精度と乾燥技術が認められ、第31回全国農林水産祭の林業部門において国産材製材初の天皇杯を受賞しました。

やまぐち木の家等推進協議会

味や品質に優れる県産農林水産物を「やまぐちブランド」として展開する山口県のブースでは、県産木材の品質を伝えるため、インテリアやアカマツでつくった装飾品などデザイン性の高い製品を数多く展示していました。
ブース床面に敷かれたシイの木のフローリング材は、耐久性に優れ、その独特な風合いを好んで住宅に採用する人も多いそうです。目を引いたのは、曲げることが難しい竹を独自技術で加工した竹家具「magaru(まがる)」シリーズ。その美しい曲線を描いたデザインに来場者の関心が集まりました。また山口県では自転車競技やレースが盛んで、告知ポスターとともに、木製(シイの木)の自転車ラックを展示し、来場者の目を引いていました。

そのほかイベントのハイライト

開発した製品の展示

宏栄産業株式会社

国産材を使い、壁材やウッドデッキ、エクステリアなどを製作。

徳島県木材組合協同連合会

伝統技術を使い、徳島スギの新たな活用として住宅部材を開発。

その他都道府県ブースの出展

千葉県木材振興協会

愛媛県産材製品市場開拓協議会

岐阜県木材協同組合連合会

島根県:しまねの木