NPO法人つれもてネット南紀熊野

令和5年度 顔の見える木材供給体制構築事業

NPO法人つれもてネット南紀熊野


事業計画

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実施概要

実施団体の説明
山林所有者が核となり、和歌山県田辺市の林業・製材事業者を始めとしたキーパーソンとチームを形成し「山林所有を200年永続する。200年後の森と地域の姿まで考慮した地域サプライチェーン(バリューチェーン)構築」をするため、当プロジェクトに取り組んだ。

【南紀熊野フォレストスタイル協議会】
事務局:NPO法人つれもてネット南紀熊野
山林所有者・コーディネート・製品販売:千品山林社
林業:株式会社橋本林業    
加工:株式会社山長商店
建築・不動産・普及・まちづくり:南紀みらい株式会社
デザイン・普及:コログラフィカル
事務局・とりまとめ:つれもてネット南紀熊野
サポート:㈱古川ちいきの総合研究所
 
事業の目的
和歌山県田辺市は古来より林業が盛んであるが、他地域と同様に森林管理と森林育成意識の不足は深刻な課題であり、また昨今のウッドショック等の影響も踏まえ、森づくりを見据えたサプライチェーン強化の重要性を痛感してきた。一方で、地域産業の衰退を主要因とする人口減、集落の過疎化対策も喫緊の課題であり、その解決の一端として地域材をはじめとした地域資源を活用した地域産業強化を目指し当プロジェクトを実施した。

 
事業内容・結果
1)「顔の見える木材サプライチェーン」構築と製品開発
地域活性化や森林関係プロジェクトをしている団体等も多い南紀地域において差別化を意識し、「田辺(南紀)地域の特性」「マーケット(ターゲット、ペルソナ)」「チームの強み、弱み」などをワークショップ等で洗い出したうえで、製品開発を検討した。
結果、独自性の高いサービスを組み立てることができた。一方で、普及啓発や入口製品も必要であると考え、木工体験キットや家具木工品も開発した。
製品についてはチームメンバーによる生産流通体制構築のためテスト製造を実施した。テスト製造した物品については、イベント等で活用した。

①    木工体験キット
<クリスマスツリーキット>
<カッティングボード磨きキット>

②    家具木工品
<スツール(キット)>

③    建材系製品サービス
山~製材加工~街、さらには田辺の象徴でもある海までをフィールドとした、製造流通体制との掛け算による「ビジネス創造サポート」サービスを開発した。

 
2)エンドユーザー参加の仕組みづくり
会員制についても協議会で検討を重ね、会員制の枠組みを組み立てた。
  • コアメンバーは、会員のニーズに沿った事業を、公益性を鑑みて当団体で実施する。
  • コアメンバーは、各自の事業を持続する収益とともに共益性を求めるチームである。
  • 定期的な接点(入れる森をつくること)⇒経験値を上げる⇒企業への営業に。

事業実施団体である「NPO法人つれもてネット南紀熊野」の「森林部門」として位置付け、定款変更などに取り掛かっていく。
 
3)情報発信ツール整備
①WEB
 新規ドメインを取得しWEBを制作した。 https://nanki.kumano-forest-style.com/

 

②360°オンライン森林ツアー
WEBサイト内に、オンラインで森林内に入って移動でき、森林や立木情報を知ることができる「360°オンライン森林ツアー」設置した。(下記はスタート画面)

 
③パンフレット制作
イベント等で手軽に配布できるツールとして、パンフレットを制作した。

  
4)イベント出展、展示
地元駅前イベント2回、森林ツアー1回、都市部(大阪)での展示1回を実施した。

【駅前イベント】「紀伊田辺駅前に森が出現」
第1回:10/29(日) 来場者:113名   
第2回:12/16(土) 来場者:321名
【森林ツアー】
開催:12月3日(日) 参加者:11名


【都市部(大阪市)での展示およびミニセミナー】
1/11(木)、12(金)、16(火)、17(水)、18(木)、19(金)、22(月)
会場:ちいきのBAR 峠(gallery) 来場者:7日間計176名


5)協議会の開催(全5回)

第1回:8月31日(木)13:00~17:00
第2回:10月3日(火)13:00~17:00
第3回:11月6日(月)13:00~17:00
第4回:12月4日(月)13:00~17:00
第5回:1月10日(水)13:00~17:00
 

事業実施により得られた効果

①山主および山林を核としたサプライチェーンの組み立て
山主と山林を軸とすることで、持続可能な山林経営を踏まえた供給体制。
②持続性のあるサプライチェーンチーム形成
補助事業のプロジェクト実施だけで終わらないサプライチェーン構築の土台形成。
③建材利用に留まらない製品サービス化
木材利用のみならず、森林サービス化、さらには「ビジネス創造サポート」と新しい視点を持ったサービス開発が出来た。
④地域の他プロジェクトとの連携による発展可能性
田辺市の海を拠点に活動する「シオゴリバ」とのイベント連携開催で、集客増およびコンテンツの発展性、普及の新規フィールドへの広がりを見出すことができた。
 

今後の課題と次年度以降の計画

①活動計画に基づくプロジェクトの継続
②開発コンテンツ(製品サービス)実行とブラッシュアップ
③組織化、会員制の精査と開始(定款変更等)
④「意志を持って森づくりをする」山主モデルの普及
山主が自ら森づくり、流通製造にコミットするこのモデルを、情報発信だけでなくセミナーや講演などで広め、「将来を見据え意志を持って行動する山主」を増やしていく。