ナイス株式会社

平成27年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業

ナイス株式会社

実施概要

国産材を中心に更なる木材振興を図るために、国内最大級の木材展示会「木と住まいの大博覧会」及び、エンドユーザに直接木材利用拡大を促す場として、地域型展示会「木のソムリエフェア」を開催した。
 
木と住まいの大博覧会
「木と住まいの大博覧会」とは、木材の利用を推進するための提案と情報発信を行う国内最大級の展示会である。従来よりナイス㈱で開催していた「住まいの耐震博」の木材コーナーが今年度より独立し、「木と住まいの大博覧会」として耐震博と同時開催される形となった。全国主要5都市(東京・京都・名古屋・福岡・仙台)で開催され、木造住宅の良さを表現し新築・リフォーム時の内装木質化を推進する。また木育、中大規模木造建築物、自治体による展示、さらに今年からは大学に於ける木材の先端研究展示等を開始して、さらなる木材の可能性を提示し、エンドユーザーやプロユーザーに向けて木材需要の訴求活動を行うことを目的としている。来場者数は5会場合わせて、15万人が見込まれ、木材に特化した展示会では、国内最大規模のものとなっている。本事業では全国5か所での開催の内、名古屋、仙台、京都、福岡での開催を対象とした。

【開催場所、日時】
ポートメッセ名古屋 平成28年6月25日(土)~6月26日(日) (来場者数 35,421名)
会場を4つのテーマゾーン(①木の体感ゾーン、②木のポテンシャルゾーン、③木材のナイスゾーン、④木材自然素材商品展示ゾーン、⑤大学ブース)に分け、それぞれのテーマに基づきエンドユーザー、プロユーザーへ木材の良さを体感できる展示を行った。
各団体の趣向を凝らした展示により、地域材を中心に木材を直接見て、触れることで木材の良さを来場者に伝え、地域材利用拡大の普及活動の推進につなげることができた。
 
写真1.木育コーナー
(木の体感ゾーン)
写真3.ヒノキ丸太柱
(木のポテンシャルゾーン)
写真2.木曽川流域躯体展示
(木材のナイスゾーン)
写真4.大学ブース

   
夢メッセみやぎ 平成28年7月9日(土)~7月10日(日)  (来場者数 19,077名)
本展示会は二日間で19,077名と過去最大の来場者があった。宮城県多賀城市で現在建設中の、宮城県初となるCLT建築物の紹介を行った。本建築物は、宮城県産のスギを使ったCLTと接合用のオリジナル鋼製プレート採用しており、鋼製プレートを用いた接合部の実物展示もした。また大学ブースでは秋田県立大学、岩手大学の2大学から出展して頂いた。木材の最新技術や最新研究結果をプロユーザーからエンドユーザーまで、多くの方に見学をして頂いた。
 
写真5.CLT建築紹介ブース 写真6.大学ブース
 
   
京都パルスプラザ 平成28年7月23日(土)~平成28年7月24日(日)(来場者数 11,334人)
5会場の中では最も小面積の会場ではあったが、入り口から植栽による森の空間を作り、来場者に本物の木の香りを感じてもらった。また、地元産材である北山杉の磨き丸太を展示し、一般ユーザー対象に、北山杉について知ってもらう為に、北山杉による割り箸作り体験も実施した。大学ブースでは、京都大学、京都府立大学、奈良県林業技術センターの3研究機関に展示をして頂いた。学術関係者と民間の木材関係者等との貴重な交流の場を設けることができた。
 
写真7. 北山スギを使った割り箸作り体験 写真8.大学ブース

   
マリンメッセ福岡 平成28年9月17日(土)~平成28年9月18日(日)(来場者数 16,654名)
「九州素適な木の家」構造躯体パッケージ提案では熊本県産材を中心に全て九州産材を用いた「九州素適な木の家」構造躯体とそのパッケージ提案を行った。躯体内では各県ブースが出展をし各県産材の樹種の特性を活かした家づくりや、内装材、家具など木のある暮らしの提案を行った。福岡では、九州大学、鹿児島大学、宮崎大学、宮崎県木材利用技術センターの4研究機関に参加をして頂いた。九州という木材の一大産地での展示会は一般ユーザー、木材産業従事者、学術研究者から多くの注目を集めた。
 
写真9. 「九州素適な木の家」構造躯体 写真10. 大学ブース

   
木のソムリエフェア
【開催場所、日時】
スマートウェルネス体感パビリオン(横浜市鶴見区) 
平成28年10月8日(土)~10日(月) (来場者数 約200名)

「木のソムリエフェア」とは、ワインのソムリエのように、お客様のご要望に応じて、暮らしに木を取り入れる方法をご提案、お手伝いさせて頂く木の専門家によるフェアをコンセプトとし、アロマの体験や、セミナー、無垢材を使ったDIY体験、国産材のおもちゃによる木の遊園地など、木材に触れながら木の特徴や効果を楽しく学べる展示会を目指したものである。

今回は、地域型展示会として開催し、地元のエンドユーザーを対象に集客し、お客様と説明員がより近い距離で木材、特に国産材の良さを知ってもらうイベントとした。
 
写真11. 稲本正氏によるセミナー 写真12. 飫肥杉デッキDIY体験
写真13. 木の遊園地(木育コーナー) 写真14. 木のお手入れ実演
 

事業実施により得られた効果

  • 各展示会を通じて、延べ約16万人(木と住まいの大博覧会15万人、地域型展示会200人)の方々に地域産材利用拡大の普及活動ができた。
     
  • 原木-製材-流通-施工-消費者を結び付け、顔の見える関係を構築することができた。名古屋での木曽川流域や、九州での九州素敵な家はパッケージ化がされており、来場者の地域材に対する理解を得やすかった。
     
  • CLTや国産材を活用した長スパン工法等の新しい技術の普及促進が出来た。
     
  • プロユーザーに良質な地域材商品を見てもらうことで、住まい作りでの地域材の標準採用化を推進した。また、CLT建築の普及に向け、今後の設計施工マニュアルにも活かされていく事が予想される。
     
  • 地元の工務店やビルダーが良質な地域材を採用することで、画一化された大手ハウスメーカーとの差別化を推進し、住まい手の選択肢を増やすことができた。
     
  • 木育を通じて、将来の木材利用に向けての布石を打つことができた。
     
  • ウッドデザイン賞など木づかい運動を紹介することで、国民の木材利用促進に対する意識を醸成した。
     
  • 簡易的な森林浴コーナーを設けることで木の効能体験の機会を提供するとともに、森林が持つ多面的機能への理解と共感を促した。
     
  • 木のソムリエフェアでは、来場者の滞在時間は平均で1.2時間ほどとなり、限られたスペースでの小規模な展示会としては滞在時間が長く、満足度の高さが伺われた。
 

今後の課題と次年度以降の計画

木と住まいの大博覧会においては、これまでの流通材を通した展示、行政の展示に加え、非住宅建築物の展示、大学での木材に関する研究内容のポスター展示など、住宅だけにとどまらず、幅広い木材利用の提案する展示会となってきた。今後は、これらの展示内容が、博覧会内で連携した形で展示を進めていくことで、より相乗効果を生むことになると考えられる。

とりわけ、2020年のオリパラを契機として、木材利用拡大の可能性を高めることができる機運が高まってきている中で、非住宅の建築物の推進のための展示を拡大していきたい。
また、「木のソムリエフェア」への来場者からの反応より、木材の取り入れ方や特性を、実物を使って根拠がある形で丁寧に説明することで、エンドユーザーの興味・理解を得られる事が分かった。

次年度以降の木と住まいの大博覧会では、①既存通りの流通材の展示、に加え、②中大規模建築の木造、木質内装化の提案、③産学官連携強化、④木の特性・可能性の訴求、⑤木育、の5本柱が互いに連携する形で、博覧会全体のストーリーをもって展示し来場者により深い理解を得た上で、地域材拡大につなげる形の展示会を開催していく予定である。

特に、産学官連携を強化するために、林野庁をはじめとして、(一社)日本木材学会、(公財)日本木材加工技術協会、(公財)日本木材保存協会等の後援を得て、また地域の行政や森林組合等の取組を紹介するなど、木材利用の機運を盛り上げる為の取組をしていく予定である。